第124号 第1会議室 | (2001/07/30)![]() ![]() |
● 参議院選挙を終えて ● |
□参議院議員選挙について 今回ご当選をされた方,おめでとうございます。 最後まで戦い抜いての勝利,大変お疲れさまでした。 これからは心機一転,国政のためにがんばってくださいませ。 今回惜しくも落選された方,残念でした。 いろいろ反省する点や考える点など様々ございますでしょうが,とりあえず選挙戦の疲れをとって,反省会などを開かれ,今後に活かしていただきたいと思います。 さて本日,すべての開票結果が出て,すべての議員が確定しました。 マスコミなどの報道を見ていますと,『小泉圧勝』『小泉大勝』などの文字が踊っております。結果は自民党圧勝で明白なので,特にあれこれ書くことはないでしょう。これから考えなければならないのは,国会がこの結果でどうなるか,ということでしょう。 今も同じですが,この勢いにまかせて,自民党が国会内での審議を有利に進めるのは確実でしょう。 となると,問題は小泉首相vs野党以外の存在。 まずは,構造改革をはばむ,見えない敵=党内の敵(?)。 選挙結果を見ると,構造改革を阻むかもしれないと噂される橋本派・江藤亀井派の候補が,影響を受けることなく小泉旋風に乗り,順当に当選しています。これらの派閥は,いわゆる小泉反対派。当面はおとなしいはずですが…,さてさて。 次は,国外の敵(?)。 近隣の中国,韓国に関しては,8/15には,靖国問題が控えています。教科書問題も決着が付いていません。セーフガードの延長決断も,あと数ヶ月。 アメリカ・ヨーロッパに関しては,京都議定書の発効がまだ確定していません。 最後は,霞ヶ関の敵(?)。 外務省はあの通り。一度省内より逮捕者を出し,これで終わったかに見えた処分ですが,再び外務省に不穏な空気が漂っています。まだまだ処分は続いていくようです。 特殊法人改革は,猛反発を受けそうですし,今回当選した比例区の議員の前職といえば,「○○省」関係の団体や組織の応援を受けている方ばかりが目立つ…。一波乱ありそうな予感がしますね。 □投票率 小泉人気で,政治への関心が高くなったと思ったところ,実際は戦後ワースト3だったようですね。 原因は各メディアともいろいろと言っていますが,別に小泉さんが直接出ている選挙ではないですし,自民党を応援しても小泉さんへの抵抗する勢力になるかもしれないとの報道がある中では,ちょっと躊躇するのも分かる気がしますが,これも推測ですので実際のところは?。 ただ,当日天気が良く,私も遠出しましたので,かなりの方が行楽地に出かけて投票しなかった可能性もあるのではないでしょうか?。これも推測ですけど。 □選挙違反 毎度のことですが,候補者の選挙対策本部と入れ替わりに,”警察の”選挙対策本部が活発になっているようです。 昨日の夜現在で,すでに,30人近くの逮捕者が出ている模様です。それ以外に文書違反等で約200件の違反があるようで,少なくともこれから1ヶ月はあちこちで逮捕者が出ることでしょう。当選した方も,落選した方もご用心をば。 (中沢) □ホントに自民党の大勝なのか? 『自民党大勝』の文字が各新聞をにぎわせていますが,ここではあえて『なぜ大勝なのか?』と疑問をぶつけて論じてみたいと思います。 確かに純粋な得票数を合計すると今までなかったようなとんでもない数字で,これだけを見ると自民党は国民の支持を得ていると言えます。 ここで,今回の議席の増減率を掲載したいと思います。(改選前の勢力順で並べています) 改選前 改選後 増減率 自民党 61 64 +4.92% 民主党 22 26 +18.18% 公明党 13 13 0 共産党 8 5 -37.5% 社民党 7 3 -57.14% 保守党 3 1 -66.66% 自由党 3 6 +100% 自由連合 1 0 - これを増加率順で並び替えると, 1,自由党 +100% 2,民主党 +18.18% 3,自民党 +4.92% 4,公明党 0 5,共産党 -37.5% 6,社民党 -57.14% 7,保守党 -66.66% 8,自由連合 - となると,議席の増減率を見る限りでは, 自由党が議席倍増 民主党が躍進 自民党微増 公明党は勢力を維持 共産党は議席を減らす 社民党は半減以下 保守党かろうじて議席を確保 自由連合は議席を失う となるのではないでしょうか。 なぜ各メディアはこぞって自民党大勝ということを言っているのでしょうか?。 たった3議席だけの増加が大勝なら,自由党も民主党も大勝ですね。(笑) 大勝というよりは多くの票数を得たということと,もしも村上参院会長逮捕辞職や,森政権で惨敗していたであろう事を考えると,それよりは増えたという消極的な大勝なのでしょうか?。 これは,おそらく比較すべき対象を,改選前の議席で見るか,獲得議席数で見るかの違いでしょう。 というのは,3年前の98年の参議院選挙では,自民党は44議席しか獲得できていません。これは,橋本内閣の時で,山一証券が自主廃業に追い込まれたのが原因で,自民党は惨敗。内閣解散となりました。 その前の95年の参議院選挙では,46議席。 92年は68議席でしたが,さらに前の前の89年の参議院選挙では,消費税導入にリクルート事件が重なるという,逆風の吹き荒れる中の選挙でとれた議席は,減りに減って36議席。 これらの実績を見る限り,近年に限っては「自民党は参議院に弱い」という傾向が,見て取れます。確かにこういった意識が,自民党内にあったようで,当初は95年の46議席を,勝敗ラインと見るべきという論もあったとか。 それにしても,今回の自民党の勝利は,「小泉首相だったから」というのも事実。毎回の選挙のたびに,気まぐれに動く無党派層を取り込めたのは,小泉首相だったからですし,自民党員の結束を固められたのは,党員が選出した小泉首相だったからですし,演説で爆弾発言の1つ2つ吐いても,好感を持って迎えられるのは小泉首相だったからでしょう。 ということは,小泉首相の神通力がいつまで続くかが,今後の鍵ということです。こう考えると,次の選挙も維持できるかどうか,今から楽しみですね。もちろん,少しは間をおいてからですが。 (鷲津)
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