第31号 第1会議室 | (1999/09/27)
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● 党公認・推薦・支持 ● |
選挙では,よく公認・推薦といった言葉がでてくると思います。 みなさんは,漠然としたイメージを持たれておられるでしょうが,実際にその違いについてはあまり知られていないのが現状です。 ここでは,政党に関した公認と推薦,そして支持についてお話しします。 □党の公認とは? 「公認」とは,政党に所属をし,その政党のもつ支持団体を駆使し,当選をはかることを意味します。つまり,政党の持つ支援体制だけで,当選をはかるという意味に置き換えてもらってもかまいません。 ですから,公認の候補者には余程のことでないと,他党からの「推薦」は得られません。 「公認」の場合,その政党だけでなく,その支持団体などはそれこそ「ヒト・モノ・カネ」のフル活動を行います。ここには,その組織のメンツなどもありますので余計にその活動は熾烈です。 その他,衆議院選挙では,政見放送ができたり,政党ポスターとして個人のポスターが貼れたりと,公認候補者には多くのメリットがあります。 また,今春の統一地方選では,政党ポスターと称して,党の政策や党首の顔写真などとともに候補者の顔写真を載せ,選挙期間中にまで貼り出せるなど,公認としてのメリットは増大しました。 では,公認はメリットばかりかというとそうでもありません。 デメリットの一番大きなモノは,支持基盤が拡大しないという点です。 ある政党の看板を背負って出馬するということは,本人をあまり知らなくてもその政党の看板だけで票がでる反面,政党が合わないために逃げる票もあるという点です。 そのため,地方自治体の選挙になればなるほど,そのデメリットの部分が大きくなるので,公認候補者が出ない傾向にあります。 □推薦とは? 「推薦」は,「公認」とは違い,一つの政党の支援体制だけでは,当選をはかることが困難である場合に,より多くの支持をもらい当選をはかることを意味します。 ですから「推薦」では,複数の政党がお互いに特定候補の支援協力をすることになります。 とはいえ,推薦候補者の場合,首長選挙の候補者を除いて,ほとんどが政党(多くの推薦がある場合,最初に推薦が出た政党)の党員ですから,普通は他党と協力することになります。 推薦の場合の大きなメリットは,広い支持基盤を得ることで,より大きな範囲で票がもらえることにあります。 例えば,首長選挙の候補者が少なく,しかも当選には多くの票を獲得しなければならない場合はよくあります。これでは一党に偏った支援体制では,到底当選ラインまで届きません。 そういった場合に,より多くの政党の推薦を受け,その政党が持っている議員や支持団体の票を積み上げて,当選をはかる必要があります。そういう時は,各党推薦の方がメリットがあります。 しかし,「推薦」の場合は,より多くの支援が得られるというメリットの反面, □支持とは? 最後に,「支持」があります。 あまり耳慣れぬ言葉ですが,これは各政党が,お互いの政治的な思惑のために出すことが多いです。そのため,その実行力は自ずと限られ,現在では形骸化しているといっても過言ではありません。 また,「支持」をだされる候補者は,公認・推薦候補者のように,どこかの党員であることはほとんどありません。 ただ,地方の情勢によって,「支持」を出すことはあり得ます。良くある例として,その県連内での意見集約が困難である場合に行われます。 これは,「推薦を出すかどうか」を政党の県連内でもめている,しかし選挙的には何もしないわけにはいかない場合に,「推薦できないけど,応援はしてますよ」という逃げ口実で出します。 また,「支持」が出た場合はそういう経緯が多いですから,政党と関係組織には応援の指示が出ることは,ほとんどありません。 もちろん,支持をいただいている訳ですから,その組織から票をいただいても良いのですが,所属の議員や団体への締め付けや浸透力は,公認や推薦よりは限られてきます。 (吉田)
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