187号 第1会議室 (2002/10/21)up down
   ● 良い集会。悪い集会。
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 政治家にとって,多くの人を一所に集め,そこで話をする「集会」は付き物みたいなものです。
 自らの選挙の際はもちろんのこと,応援する人のために自らの後援会を集めたり,支援団体に動員を頼むと言うことは,ある意味,日常的な活動だと言えます。

 では,何故「集会」をするのでしょうか。
 第一の目的は,集まってもらった人達に,直接候補者と接し,あるいは話を聞いてもらい,その候補者のファンになってもらうことです。

 しかし,さらに大事な目的として,人を集める過程の中で,候補者の名前の浸透をはかるなど,支援の輪を広げるということがあります。
 とは言いつつも,実際に人を集め,集会をしたが,中身が散々で,集まった人が怒ってしまっては元も子もありません。

 そこで,今回は筆者が最近参加した2つの集会をレポートし,良い集会と悪い集会について考えてみたいと思います。
(良し悪しの判断は,あくまで筆者の主観的な見解ですので,その点ご了承下さい。)


□「悪い」集会

 先日行われた,とある町での町長選挙に向けての決起集会。
 集会開始時間の午後6時30分前に,会場である公民館に出向く。

 その時点で,約300人近くの人が集まっている。「たくさん集まっているな」と感心しつつ,まわりを見渡すと大半がどこかで見た顔。よくよく見ると,その町の職員さんと推薦各党の関係者ばかり。
 開始時間が少し過ぎたところで集会が始まる。

 舞台の左手に掲示してある「式次第」を見て,ぞっとする。
 後援会長の挨拶に始まり,都道府県代表,近隣市町村代表,議会代表,推薦各党の代表,各支援団体の代表・・・。何人いるのか数えるのも嫌になるくらいの挨拶。

 実際に,この日の来賓挨拶は13名。来賓挨拶が終了した時点で,すでに開始から1時間半。
 来賓挨拶の後半になると,居眠りしている人がちらほら。
 中には,壇上の来賓で居眠りしている人までいる。

 やっと,来賓挨拶が終わったと思いきや,次に来賓の紹介。
 これが約10分以上続く。
 続いて,祝電披露。これも,代表して3通の祝電を読み上げ,その後,祝電をもらった人の名前すべてを紹介する。


 ここで,やっと候補者の登場。決意表明である。聞き手としては,「これでやっと終わり」という心境。

 ところが,ここからが長い。
 町の抱える課題を一通り述べ,さらには相手候補の批判。そして,又最初に聞いたような話が・・・。
 気づけば,30分町長候補は延々と話し続けた。この間,席を立つ人もかなりいらっしゃった。

 そして,花束贈呈。やっと終わった。時計を見ると午後9時過ぎ。
 なかば放心状態で,席を立つこともできなかった。


□「良い」集会

 先日参加した,ある若手衆議院予定候補の支援者集会。
 平日の午後6時開始ということもあり,開始時間にもかかわらず,会場はすべて埋まりきっていない。
 それでも,開始時間になると集会は始まった。

 まずは,支援者代表が一言,主催者側を代表して御礼のあいさつ。
 続いて,当該選挙区内の来春の統一自治体選挙立候補予定者3名がパネラーとなり,支援者の一人である大学教授のコーディネートの下,「市町村合併の論点」についてパネルディスカッション。
 30分間の討論の後,質疑応答。
 2,3の質問が会場から飛び出し,それにパネラーが答えていく。

 次に,同じ党の参議院議員が演壇へ。
 最近の国政の状況と市町村合併に対する見解を,パワーポイントを用いて約20分間説明して終了。

 ここで,少しブレークタイム。
 座ったまま聞いてもらうのも辛いであろうとの心遣いから,約5分間,「座ったまま出来るストレッチ講座」。
 開始から一時間座り続けていた人には,良い気分転換になっただろう。

 そして,最後に主役の衆議院予定候補者が登場。
 登場の際には,昔の写真を使って「生い立ち」を紹介。その後,写真やビデオをおりまぜながら活動報告。
 最後の5分。次の選挙に向けた決意を語る。

 ここで終了。約1時間半。終了予定時刻にはきっちりと終わった。
 ちなみに,最後の段階で会場はほぼ満員だった。


□「良い集会,悪い集会」

 以上のように,集会のポイントの一つは時間です。
 単に長い集会は,聞き手にとって大変辛いものです。もちろん,短ければ良いというものでもありません。

 そこで,次に大事な点は,やはり弁士です。
 いずれにしても,先ほどの例のように,主催者側の都合で,弁士を決め,ダラダラと長時間に渡って集会をすることは候補者にとって間違いなくマイナスです。

 聞き手の側に立つこと。そのことを熟慮した上で,集会の計画をしましょう


松井


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