第13号 第1会議室 | (1999/05/17)![]() ![]() |
● 地方議員のための基礎知識 ● |
□地方議員ってどういう人? 今週は,地方議員になりたいと思っている人のための,基礎知識です。地方議員っていうのはいったいどんな人のことでしょうか?。 (1)地方議員の区分 政治家=国会議員+{都道府県議会議員+市町村区議会議員}+首長 都道府県議会議員と市町村区議会議員が地方議員と呼ばれる人たちです。 この地方議員は,その人のタイプや立場,政治家としての性質もいろいろです。例えば,将来は国会議員になることを目指して地方議員という立場を踏み台にしていく人もいれば,近所のおっちゃん的な議員もいるということです。 (2)地方議員の年齢 地方議員は25歳から立候補することができ,1期で4年間務めることができます。 下限は25歳と決まっていますが,上限は決まっていません。100歳の議員というのも可能ですが,当選するのなら何歳までやってもいいというものではありません。しっかりと政治が行えなければなりません。 (3)地方議員の報酬 地方議員の報酬は,上は月額約150万円,下は約12万円とさまざまです。ただし,地域によっては,この定額報酬の他に調査研究費や,期末手当が出ます。このことも考えると,最も多くもらっている議員は年収1800万円ぐらいの収入があると言えるでしょう。 しかし,町村議会議員では,収入の面からも,その性質からも議員職のみで生活している人はほとんどいないでしょう。ちなみに,地方議員の収入は給与とは言わず,報酬と言います。詳しいことは(4)で。 (4)地方議員の立場 地方議員は地方公務員ではありません。 どういうことかと言うと,地方議員とは名誉職であり,就職というわけではないのです。言ってみれば自営業者と一緒です。 納税に関しては,厚生年金の支払いや受給がありません。そのため,地方議員は社会保険には加入せず,国民健康保険だけの加入となります。ただし,これはあくまで地方議員のことで,国会議員は特別公務員に分類され,公務員と同じ扱いになります。 先ほどの「給与ではなく報酬と言う」ことに関してですが,これは兼業の色彩が強いために報酬と呼んでおり,また,本業を別に持っていることが前提になっているために名誉職と呼ばれています。 地方議員は地方公務員ではありませんが,待遇は地方公務員に近いものがあります。地域によって異なりますが,市バスがフリーパスというところなどもあります。 議員は待遇が良すぎるとか,特に報酬に関しては高い,安いなど色々な議論がされていますが,みなさんはどう考えたでしょうか?。 きちんと,議員が報酬に見合った働きをしているかどうかを,チェックできればいいのですが。議員の活動というのはなかなか見えてこない部分が多くあるので,情報公開されるようになるといいですね。 □地方議会の事始め 当選した議員の方々は,当選証書を貰う儀式があります。それによって初めて当選したことを,選管から証明してもらうことになります。 それが終わると,臨時議会になります。 この臨時議会,何をするのかといえば,もちろん役員選挙。またここでも選挙です。 始めに行うのが議長選挙。これがなかなか一筋縄ではいきません。今後の議会運営やら,今までのお返しやらがあり,すぐに決めることができません。しかもおかしなことに,当選回数が3〜4回の方々が,わりと議長になられるようです。誰が決めたのでしょうか,こんなこと。 すんなり決めるためには,まず会派構成というものをしていかなければなりません。 会派というのは,国政や地方を問わずありますが,言うなれば,志を同じくするものが集まって議会内での発言力を強化しようというものです。 「えっ,政党と違うの?」という声が聞こえてきそうですが,政党という色はつけたくないけど,政策的にはこの辺が近いなあという議員が組む訳です。地方議会では,例えば,無所属保守系会派,公明党会派,共産党会派,市民派会派というような分け方になることが多いです。時には自民党を名乗られる方もいらっしゃいますが。 この会派ですが,一番大きな会派が一番発言力があります,原則的には。ただ,おもしろいもので,どこの世界でもあるように,いくら大きくても,過半数はよっぽど大きくないと取れません。だから,どの会派を味方に取り付けて,ポストはどこを与えてというような駆け引きがあります。 ポストは,議長・副議長の他,各委員会の委員長,監査委員等などありますから,振り分けるのが大変です。これもやはり,当選回数がものを言う訳です。 晴れてめでたく,会派構成と議長などを決める臨時議会が終わったら,次は,定例の議会が始まります。 ちなみに,地方議会というのは,国会のように,一度会期が始まったら100日もあるというのではなく,多くて1ヶ月といったところでしょうか。その中で,議員は質問を行って行政の回答を引き出していくというものが仕事になる訳です。 当然,議事録には質問も回答も残る訳ですから,しっかりした質問をして,ちゃんとした解答を得れば,行政はやらざるを得なくなるというわけです。 (編集部)
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