第22号 第1会議室 | (1999/07/19)![]() ![]() |
● 総選挙対策本部スタッフ ● |
選挙対策本部というのは,選挙戦全般にわたって,陣営の活動を統率し,意志決定をする組織です。選挙の主役はもちろん候補者なのですが,その活動を全面的にバックアップするという役割を持つのが,選挙対策本部であるといえます。 選挙対策本部(以下「選対」)では,活動を効率的に進めるために,スタッフの役割の分担を行っていく必要があります。ということで,今回はスタッフの役割について,考えてみましょう。 □選対本部の構成は? 選対といっても,各陣営の事情,選挙の種類により,多種多様な形態があります(後援会中心型,労働組合中心型,業界団体中心型など)。 一例として,以下のような人事による選対を構成することを考えてみましょう。 選対本部長(1名) 主に対外的な折衝など。事務所の代表 選対事務長(1名) 内部実務部門の総責任者 選対事務次長(若干名) 事務長の補佐と実働部門との調整 出納責任者(若干名) 財政管理と公的書類作成 候補者付き(1名) 候補者のスケジュール管理と車の運転 遊説担当(若干名) 街宣車の運行と応援弁士の手配 演説会担当(若干名) 演説会運営全般の計画と調整 電話戦術担当(若干名) 電話戦術の名簿,人員の管理 組織対策担当(若干名) 支援組織との交渉,仕事管理 広報担当(若干名) 新聞・ポスター・ハガキ・テレビの手配 総務担当(若干名) 事務所の運営,物品の手配,人事管理 基本的には,対外的には「選対本部長」,対内的には「選対事務長」がトップとなって活動をし,事務長の回りを実働部門の担当責任者が取り囲むという形になります。 □こんな人がスタッフとして求められる 選対人事の人選において,一体どのような要素が重要なのか?,ということを考えてみましょう。 基本的に,選対の人事は,仕事内容と担当する人間の適正を熟慮して決めるべきです。そこで,どの役職にどのような適正がいるのかを見ていきましょう。 ○選対本部長 基本的に責任感がなければなりません。また,選挙事務所の顔なので,いろいろな人脈に通じた人が求められます。 さらに,陣営外の人間と応対する役割は重要なので,人当たりが良くないとダメです。候補者の次に,カリスマとなるぐらいの人物でなければなりません。 ○選対事務長 実は,陣営内部に対しては,事務長がトップであるといえます。そこで,選挙経験が豊富で,強力なリーダーシップを取れる人物が望ましいです。 ○選対事務次長 これも,選挙経験が豊富な人物が求められ,本部長から運動員までの事情に精通していなければなりません。 ○出納責任者 金銭を扱うので,信用のある人間でなければなりません。 また,予算作成,公的書類作成,収支報告作成という我慢強い作業を,延々続けるだけの忍耐力も求められます。事務能力,経理能力のある人が望ましいでしょう。 ○候補者付き 候補者を実質的に動かすため,候補者が命令に従うだけの候補者からの信頼と,スケジュール厳守のための時間管理能力が必要です。 あと,候補者単独での移動の際は運転手をつとめるため,普通自動車免許が要ります。 ○遊説責任者 また,運転手,うぐいすなど,多くの運動員を相手にしなければならないので,人に慕われる性格であるのが望ましいです。 ○演説会責任者 個人演説会,政党演説会などの計画,手配などを行うのですが,実際には遊説部門と協調して動くことが多いので,同様に ○電話戦術責任者 名簿の管理能力が主に必要とされます。また,多人数に対して仕事を発注することになるので,それなりの対人能力も必要です。 ○組織対策責任者 まず,対外組織との交渉能力が要ります。さらに,各所へと足を運ぶために豊富な行動力が必要です。 外部組織に対する,候補者の宣伝能力もなければなりません。 ○広報責任者 また,選挙ハガキの管理では,山のようなハガキをもれなくチェックする我慢強さのある人が良いです。 ○総務責任者 事務運営をスムーズに動かすために,細かい視点から実務を見ることのできる,気が利く人間が望ましいです。 また,事務所の客との応対などの雑用も多いので,人当たりの良さも求められます。 (編集部)
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