第57号 第1会議室 | (2000/04/03)![]() ![]() |
● 選挙の裏表 ● |
□選挙の表舞台と裏側 選挙といって想像するのは,街宣車に乗って名前を連呼する,また駅前に立って朝から街頭演説をする,といったことでしょう。 確かに,いわゆる街宣というのは選挙の花形ではありますが,それが全てではありません。では,選挙とはどういうパートに分かれているのでしょうか。 まず,表舞台となるのは,やはり街宣や演説会などの選挙を盛り上げるパートです。みなさんは,選挙になると「朝早くからうるさいなあ」といった経験をされたことがあると思います。 でも,よく考えてください。 「朝からうるさいなあ」と感じているということは,同じようなことを多くの地域の人たちが感じているということで,実は効果的に「選挙が始まった」と認識させていることになるのです。 もしこれが,まったく何もない選挙であったならば,選挙がいつ始まって,いつ終わるのかなんて,誰がわかるでしょう。この「迷惑だなあ」と感じた時点で,知らず知らずのうちに,街宣の第一目的が果たされていたことになるのです。 では,その街宣は適当にルートを決めて走っているのでしょうか。 そうではありません。綿密なルートを組んで,車を走らせているのです。このルートというのは,選挙の序盤・中盤・終盤によっても変わってきますし,また午前と午後でも変わってきます。それは,候補者が強い地域,弱い地域の違いや,人の居る居ないの違いによっても変わってきます。 その辺を計算して,事前に計画を立てておくのが,選挙陣営の中で街宣担当の役割です。この街宣担当の善し悪しで,大きく選挙の雰囲気が変わってきますので,十分に注意してください。 この街宣を行う上で,一番重要なことは, 多くの世論調査や,私たちが行った調査でも明らかですが,残念ながら日本の有権者は投票の時に,政党や政策で選ぶというよりも政治家の人柄で選ぶという方が多いのです。 では,人柄で選ぶというとその基準はどこから導き出されるのでしょうか。 人間は,直接接触すればするほど,親近感を持ちます。このことが,投票行動には多大な影響を及ぼすことになります。 選挙は,こういった地道な積み重ねの上に,本番での派手なパフォーマンスで盛り上げて当選するといってもよいでしょう。そのどちらかが欠けてしまっても,当選することは困難になります。 □選挙の基礎票 どの選挙にも,基礎票というものがあります。それは,たとえ小さな選挙であっても変わりはありません。しかし,特に衆議院選挙のような大きな選挙になると,一つ一つの票を獲得していくという方法では,準備が間に合わない場合があります。 この基礎票というのは,なんでしょうか。 これは,候補者を支援してくれる各種団体の名簿数であったり,また各種議員の得票数であったりします。また,直近の選挙での投票結果などからも分析することが出来ます。 実は,この基礎票があなどれません。 何故なら,選挙の戦術として「足し算」と「引き算」があります。こつこつと地道な活動で票を この選挙の難点は,やはり確実な票読みがし難いということにあります。 イメージ的には,一本釣りの選挙で一つ一つねらってとっていくか,地引き網のごとくとりあえずごそっとなんでもかんでも取ってきて,使えるものの選別をするかの違いだと思ってください。 そして,今の日本ではほとんどの陣営がこの「引き算の選挙」になります。 ですから,まず最初にするのは,自分が出馬しようとする地域に自陣営の票がどれだけあるのかを計算して,足りなければなぜ足りないのか,どこから取ってくるのかの戦術を明確にする必要があるということです。 その基礎票の票読みをしないうちには,選挙の戦術を組み立てることは出来ません。 (吉田)
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