第73号 第1会議室 | (2000/07/24)
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● 票読みしましょう ● |
まず,票読みは何のためにするのでしょう?。 テレビ局ならば当選確実を宣言するためなのでしょうが,政治家にとっては当選を確実にするための目標を,数字の形で明確に設定するためといえます。 例えば,自候補が組織票だけで当選ラインを越えられると予想できるならば,もはや選挙運動は組織固めだけで充分ですし,当選まで遙かに遠いならば,組織をフル稼働させたり,マスメディアで知名度をアップさせて浮動票の取り込みの動くでしょう。このように,勝利への道筋をつけるためには,どうしても正確な票読みというものは不可欠となります。 では,票読みとは何の票を予測することなのでしょうか?。これがわからなければ,この先の作業が出来ませんね。 答えはいくつかあります。当選得票数の予測,自候補の獲得票の予測,敵対陣営の獲得票の予測,といったところでしょうか。選挙の目標,さらに行動をはっきりさせるためには,これらについて,一つ一つ考えていかなければなりません。 □投票率 票読みに関して,いくつか重要なファクターがありますが,比較的簡単にはっきりさせられる要素として,投票率が上げられます。 まず,極端に大きな政治的変動か,投票システムの改変がなければ,前回の同 ●あとは購読者のみのお楽しみ●
ょう。 この投票率は,もっぱら浮動票の動向を見極めるのに使います。 □当選得票数 これは,理論上では投票有権者の51%で充分ですが,実際は各候補の力関係によって,いろいろと変化します。しかし,大規模な選挙になればなるほど,候補の力 ●あとは購読者のみのお楽しみ●
見れば,それほど外れません。ただし,有名な新人候補,現職のスキャンダルなどで選挙戦が荒れる場合は,間違いなく大幅に上下するので要注意です。 また,より正確に算出するために,この数値に投票率の上下分の補正を行うと良いでしょう。 □自候補獲得票 まず,候補者個人が持つ固定票の予測は,自分の持つ名簿の人数から割り出せるはずです。これがわからないようでは,名簿管理ミスなど組織運営に失敗している証拠。きちんとしないと,最後の最後に混乱します。 次に,おおまかな政党の固定票は,同一政党で同一選挙区の別クラスの議員の票から予測することが可能です。つまり,自分が市長なら,同政党の市議会議員の合計票や,県議会議員の自選挙区のみの票数を割り算したものから,ある程度を把握できるということです。 とはいえ,こちらの方は,政党の性質にもよりますが,実際はかなり誤差が出ます。あくまで他候補の支持者や,特定政党を支援する団体のただの構成員なので,固定票となるかどうかは,候補者の運動次第で大きく変わります。固定票のみで当選できる可能性がある候補者は,票固めとして,この層だけに働きかけを行ったりします。 □敵候補獲得票 前回選挙のデータがあれば,それを基準に考えるのが一番ベストです。政党,候補者の人気による浮動票の誤差を加えれば,予測精度はあげられます。 ただ,まったくの新人のようにデータがない場合でも,ある程度制限されますが,予測は可能です。 ●あとは購読者のみのお楽しみ●
すると固定票と浮動票の比率がはっきりしたりと,票のデータと候補者事情を勘案すると,票が読める場合も多数あります。手間はかかりますが,やってみる価値はあります。 □浮動票 残念ながら,浮動票は読めません。ただ,投票率が上昇するにつれ,浮動票は増加します。 先の総選挙においては,浮動票の動向は野党有利と出ましたが,地方選挙になると必ずしもそうとは限らない場合があります。聞いたところでは「顔がよい」「身長が高い」「若い」「女性」といった条件が付くと,非常に浮動票を獲得しやすいといった話はあります。これに当てはまる方は,浮動票に期待しましょう。 そうでない方は(失礼),浮動票で選挙に勝つことを考えるのはおすすめしません。 初戦ならば仕方のないことかもしれませんが,2期目以降ともなると先ほどの「若い」ではありませんが,目新しさがなくなる所為か,何もなければ初戦ほどの浮動票は寄ってきません。当選したからと言って,気を抜くと痛い目に遭うので注意。 (中沢)
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