75号 第1会議室 (2000/08/07)up down
   ● 企業顧問をする政治家の実態
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□どこから話が持ち上がってくるか?

 大きく考えると,2通りのパターンがあります。
 企業が顧問をほしがる場合と,政治家が顧問をしたがる場合です。

 では,企業が政治家の顧問をほしがっている場合について考えてみましょう。

 と,ここで実例を一つ。

 以下は,とある社長が某副社長を割烹で接待中というところに,何故かまぎれこんでたときの実話(つい数週間前)。政治家はここにはいません。ちなみに社長は関西弁。

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A社長「B君(接待相手の副社長)なぁ,この件(業務提携)で今度○○○○○(人間)集めて,○○○(団体名)みたいなのやるやろ。でな,●●●(競合団体)の連中,そういうのに危機感を覚えるような体質やから,きっちりと動きを押さえこまなあかんなぁ。」

B氏「こんなところでつまづくわけにもいきませんしねぇ。」

A社長「それでだなぁ,B君。ここは一つ,名のある人間にびしっと,こう,目を利かせてもらおうと思っとるんやけど,どうやろ。」

B氏「じゃあ,○○協(業界団体)のCさん(理事の政治家)にでも理事頼みましょうか?」

A社長「あかんあかん,あの人,○○省にぜんぜん顔通じてへんって。それやったら,Dさんの方がええんとちゃうか。そら,知名度は落ちるけど,上(官公庁)には顔の聞く人や。どや。」

B氏「A社長はそういう人とも付き合いがあったなんて,意外ですねぇ。」

A社長「いやな,先週,○○(地名)で○○○○○○(会合の名前)があったやろ…(以下関係ない話が続く)」
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 と,このような話が実際には存在するわけで,結果として理事や顧問の企業側からお願いするということになるわけです(この話の行方は知りませんが)。


 この手の話の場合,組織の地位の向上ということが目的となる場合がほとんどです。当然,顧問になる政治家というのは,知名度がある,顔が広い,地位がある,とレベルの高い人間が求められるわけで,衆参国会議員,首長といったような地位の人間が求められることがほとんどでしょう。

 これに対する報酬というのは,これまた人間のレベルに比例してレベルが高くなります。じゃあ,実際の値段はいくら?と言われても普通は教えてもらえないのでわかりませんが,1例だけで良ければ,先週の新聞を読んで探せば見つかります。


□なぜ,政治家は顧問を引き受けるのか?

 上記の例であれば,政治家にとっては,特に引き受ける理由といっても,お付き合い,顔つなぎ,といった感じの場合がほとんどです。実質的には,選挙の際にその団体が協力してくれるといったことが,主な見返りです。もちろん顧問料も見返りとしてはあります。

 ところで,知名度のない政治家も,顧問をする場合があります。落選した政治家が企業の顧問をする例もあります。上記の例と比べれば信じられないところでしょうが,やらなければならない事情があります。

 その事情というのも,実は「生活費稼ぎ」だったりします。
 職のない政治家,小型の地方自治体の議員などは,収入自体も少なく,副業なしではやっていけません。そこで,特に親しい社長に取り入って,会社の顧問なり,相談役なりをすることになります。実質的には,寄付の一形態というわけです。


 とはいえ,この辺の裏側には,「金・地位・名誉」が大好きなオールドタイプの政治家とそれを支える周りの環境があるのも事実。
 顧問といっても,月に1時間だけ出社して,雑談だけして,金をさらっていくのでは,国民のみなさんにとっては納得がいかないのは道理。金と地位と名誉がいくらあっても,ぽろぽろ落選してしまう昨今の選挙事情を考えると,少しは企業で働く人間の事情でも勉強してくればいいのに,と考えてしまいます。



中沢


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