79号 第1会議室 (2000/09/11)up down
   ● 落選候補者のその後
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 先の総選挙でも、多くの立候補者がありました。
 しかし、議員の数は決まっているので大多数の候補者には「落選」という現実が立ちはだかります。「落選」と一言で言ってしまいますが、現実には「当」「落」の差は非常に大きなものです。よく「落選すればただの人」と言われますが、現実にはただの人以下になってしまいます。ではどのようなその後を過ごしているのでしょうか?


 <政治活動編>

 引退する場合を除いて、落選したからと言って、多くの人はその後も立候補へ向けて政治活動を再開します。それこそ落選の次の日から、次の選挙を見据えた活動は続くのです。

 まず、一番にしておかなければならないのは、選挙前に挨拶に行ったところへお詫びの挨拶をするということです。余程の選挙を除いて、誰も落選を願って応援をする人はいません。とすると、応援をした側からすれば、「あれだけ応援をしてあげたのになぜ落選するの?」という疑問や不信感が起こります。その不信感を払拭することが、落選後の候補者が一番に行わなければならないことです。
 その払拭の仕方とは、「私の力不足で・・・」というお決まりの一言を言うことです。その一言が、次の選挙へとつながります。


 選挙には「現職」と「新人」の間には大きな壁があるといいます。当然それは「落選」をした次回の「新人」にも当てはまります。

 なぜ大きな壁ができるのでしょうか?

 大きな理由は、「現職」になるとあらゆる場所で、顔を売る機会が増えることです。
 これからの時期ですと、運動会や文化祭などといった有権者が多く集まる行事には、必ずお呼びがかかります。そういった席に出席することで、自然と有権者の頭の中へ、名前がインプットされることになります。
 また、現職との大きな違いでは、


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 その壁を突き崩すのも非常な労力を必要とします。そこで必要なのは、現職以上のこまめな政治活動になるということです。


 お詫びとご用聞き、この二つが落選した候補者の政治活動には必要なことになります。


 <政治資金編>


 政治活動は基本的にお金を生み出す活動ではありません。ですからその政治活動の資金を捻出することも、落選候補者の肩にかかってきます。
 例えば国会議員となれば、国費で秘書を3人雇うことができます。現職の場合はいいですが、もし落選した場合、早速その3人分の給与を候補者自らが払っていかなければなりません。その現実にどう対応するのかも候補者となる資格の一つかもしれません。

 ではどうやって集めるのでしょうか?

 一つには、衆議院議員以外の大半の議員は、任期が決まっていますから、その次の選挙までの一定期間はじっくりと後援会組織を整備することができます。そこで、後援会を組織し、後援会員となった人たちに、金額の大小はありますが、後援会費としてお金を出してもらうことによって、活動資金を維持させる方法があります。
 また衆議院の候補者の場合、候補者が党の小選挙区支部の代表を務めることから党から活動資金が支給されることがあります。

 二つ目には、地方へ行けばその土地の有力者が立候補している場合もありますので、そういった人たちは、自分たちの資産を処分する形で活動費を捻出していることもあります。


 <日常生活編>

 落選した候補者は政治活動だけで生活をしているわけではありません。基本的に、政治活動では何も利益を生み出すことはありませんので、落選した次の日から家賃や食費をどうしようといった日常生活に密着したことが問題になってきます。
 つまり生活費をどう捻出するのかという問題です。

 候補者の中には、生活費に全く心配のない資産家もいます。例えば自分で会社を経営していたりという場合などはそれに当てはまります。
 しかし、自営をしている訳でもない候補者にとって、よくあるパターンとしては、応援してくれている企業の顧問という形で給与をもらうことです。それでも、一社あたり莫大にはもらえませんから、数社にわけて少しずつもらうというのがよくある形です。

 この場合の利点は、時間が自由になるという点です。顧問ですから、毎日出社する必要がないので、その時間を政治活動に振り分けることができます。
 しかし、下手をするとその企業のひも付きとなってしまい、当選してからの活動に制約が出ることも覚悟しなければなりません。


 この不景気にそれほど支援してくれる企業もない、またそんな企業を探すつてもないという候補者にとっては、知り合いの会社に入ったりするなどして、給与をもらうこともあります。
 しかしこの場合、普通の会社員と同じ状況になるので、時間的な自由失われます。それにより、政治活動の時間が制約され、有権者に忘れられてしまうという恐れがあります。
 ただ、候補者としてその社会経験は無駄ではなく、より有権者の感覚をもった政治家になれるチャンスとも言えます。


 政治にはいくらお金をかけないようにしてもお金がかかります。それは選挙区が広くなればなるほど、有権者が多くなればなるほど、かかるようになります。
 志をもって立候補しても、その後の不安を払拭できなければ、いくら有能な候補者でも立候補はしてこないでしょう。今の政治に必要なのは、不安を払拭するシステムをつくり、幅広く候補者をつくり出すことかもしれません。


吉田


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