90号 第1会議室 (2000/11/27)up down
   ● 派閥政治とは何ぞや
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 皆さんは,先日の不信任案決議に関する一連の国会中継をご覧になっていたでしょうか?。森首相を始めとするいわゆる自民党の主流派に対し,加藤紘一氏を中心とした非主流派の抵抗によって,不信任案が可決,解散総選挙もありうるとまで言われ,先週は報道も非常に過熱していました。

 この間のマスコミ報道の中で,「○○派」という言葉を良く耳にしたのではないでしょうか。自民党の中には派閥という強固な組織が形成されており,今回の一連の騒動では「派閥」が渦の中心にありました。
 そこで今回は,「派閥政治」に焦点を絞っていきます。


○派閥とは?
 派閥とは,「政治家の利害・思想などによって結ばれた政党内の小集団」のことを言います。政権政党では,派閥の力関係で政治の流れが決まることがあります。


○派閥の仕組み
 自民党は「派閥の連合体」と言われています。
 派閥の代表は「領袖(りょうしゅう)」と呼ばれ,当選回数が多く,資金を集める力が大きい議員がなっています。一般的に閣僚や党執行部の主要ポストは,派閥ごとに割り振られるようになっているため,より多くの国会議員が所属する派閥が,より大きな力を持つことなります。


○派閥結成からの流れ

 派閥が発生したのは,1949年の総選挙で当時の民主自由党が安定多数を取り,保守長期政権の基盤が形成された頃になります。1953年の総選挙では,民主自由党は吉田派と鳩山派の2派に別れていました。
 自由民主党の結党当初は,岸信介,池田勇人,佐藤栄作,大野伴睦,河野一郎,三木武夫,石井光次郎,石橋湛山の,8個師団と呼ばれていました。これらは時を経て,「三角大福中」(三木武夫,田中角栄,大平正芳,福田康夫,中曽根康弘)の5代派閥へと収束し,それが現在においてもほぼ受け継がれていると言えます。


○現在の派閥政治
 自民党の派閥政治は1993年の政権から落ちて野党になった時に,「派閥解消」を宣言しました。理由は,派閥政治が金権・汚職体質の温床になっているとの批判や,派閥政治によって,政策で勝負すべき政治家の本分が見失われたことが挙げられます。
 しかし,実態として派閥は存続し,ご存知のように今回の総裁選や組閣も,派閥中心に進められ,逆に現在では,自民党の議員のほとんどが何らかの派閥に属している状態になっています。新聞でも「以前はあった」という意味で「旧」という文字をつけ,旧小渕派などと呼んでいましたが,今回の総裁選挙では,また派閥ごとの候補者選びとなり,「旧」の文字をはずした報道となりました。

 また現在の自民党の派閥は大きく分けて,橋本,加藤,森,江藤・亀井,山崎,旧河本各派と河野グループの6派閥,1グループがあります。森喜朗首相を支えながら政局の主導権を握ろうとする最大派閥の橋本派,政権維持を図る森派など,各派が思惑を秘めて政局に臨んでいることは明らかです。


○派閥が強固な力を持つ原因
1.自民党の総裁が公選制(衆参両議院と地方代議員による投票)を採用した これが派閥が生まれた最大の原因と言われています。党総裁(=首相)を目指すには,なるべく多くの議員を自分の派閥に入れる必要がありました。

2.支援が約束される
 派閥を構成する議員の立場からは,リーダーからの資金面での援助や,政府や党におけるポスト配分が期待できます。

3.選挙時の支援
 55年体制時の中選挙区制においては,自民党から複数の候補者が立候補します。そのため,自民党から公認されてもその支援を独占できず,派閥に頼ることになります。これにより,派閥の機能が強化されました。


緒方


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