93号 第1会議室 (2000/12/28)up down
   ● 参政権・選挙権・投票
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 ついに次期アメリカ合衆国大統領が決定しました。長い長い選挙戦(?)のすえ,最後は法廷闘争などを経て,ブッシュ氏が勝利宣言・ゴア氏が敗北宣言を出して,決着したようです。大統領を決めたのは最高裁のような気さえしてしまいます。実際は手作業でフロリダ州の票を数えて見なければ,ゴア氏が勝利するかどうかは分からなかったでしょうけど。今回の大統領選挙でクローズアップされていたのが,選挙人制度です。前々回の号で選挙人制度の詳細は述べています。今回の大統領選挙では,勝利したブッシュ氏の全米での得票は,ゴア氏よりも少なかったようです。それでも選挙人制度のもとでは,ブッシュ氏は勝利することが出来ます。
 選挙制度は世界各国いろいろ様々あります。今回は選挙制度自体というよりも参政権・選挙権・投票に焦点をあててみたいと思います。

□満20歳以上なら

 現在の日本では,20歳以上のひとなら男女誰にでも選挙権が与えられています。これは第2次世界大戦後に定められたものです。日本の歴史から見てみると,まず一番最初に日本に選挙制度が導入されたのは明治22年で,このときに衆議院議員選挙法が公布されました。このとき選挙権は,満25歳以上の男子で直接国税を15円以上納めている人に与えられました。当時の有権者数は約45万人で,人口のたった1.1%に過ぎませんでした。その後,明治33年に衆議院議員選挙法が改正され,選挙権は,満25歳以上の男子で,直接国税を10円以上納めている人に与えられました。それでも有権者数は約98万人で人口の2.2%に過ぎませんでした。いわば衆議院は,人口のたった2%の民意を反映したものであるといえます。その後,大正8年,14年の衆議院議員選挙法の改正を経て,昭和3年に,満25歳以上の男子すべてに選挙権を与えた,初めての選挙が行われました。そして昭和20年になり,男女満20歳以上のひとに選挙権が与えられました。

□現在の選挙権

 このように簡単に歴史をたどっていくと,普通選挙実施に向けて,徐々に条件を緩和していったように見えますが,その背景には,選挙権獲得のために払われた多くの人々の血と汗と涙が隠されています。多くの先人たちが普通選挙実施のために,数多くの犠牲を払ってきました。そして現在,このように普通選挙が当たり前のように実施されているわけです。
 しかし,昨今の様々な選挙での投票率を見ると,多くの人々が投票所にすら行かないという現状が,数多く見受けられます。これではいったい何のために先人たちが苦労したのかわからないといえる状況となっています。


□制限選挙

 では,現在の選挙で直接国税○万円以上納めたものという制限をつけるとどうなるでしょうか?これは現実的ではありません。現在は間接国税という形でほとんどの人が納税者となっている現実があります。間接国税は総額をカウントしにくいですので,これは納税金額で選挙権を計るのは現実的ではないようです。
 では逆に,多く直接国税を納めた人に多くの投票用紙を与えるとどうなるでしょうか?例えば,年間直接国税納付額が300万円以上の人には,+1票。500万円以上の人には,+2票。800万円以上の人には,+3票など。さらに全国納税番付や地方納税番付に登場し氏名を公表されるひとには,さらに+5票を与えるなどしたとします。せっかく多額の税金を納付するのですから,当然税の使い道などを決定する政治に対するチェックも厳しくしてほしいですから,その分,政治家を選ぶ票に重みをつけるということで,お眼鏡にかなわない政治家の排除とお眼鏡にかなう政治家の当選に,より多く貢献できます。
 実際にこれを実施するとなると,かなりの問題点が出てくるのでしょうけれども,多額の税金を納めた方には是非,自ら納めたお金の行く末に対して,もう少し発言できるようにしてもよいのではないでしょうか?


□○×投票

 現在は記名式の投票ですが,これを○×式の投票に変えてみてはいかがでしょうか?例えば,絶対に当選して欲しくない候補には×をつけるとします。それを当選して欲しいという○の投票数から引いて,○−×の票数で当落をつけるというのはどうでしょうか?これだと投票率は上がるのではないでしょうか?×の分だけ選択肢が多くなりますから,投票しやすいと思います。しかし○×式も,○か×をどれかの候補にひとつつける方式にしないと,全員に対する○×記入式にしてしまうと,単なる人気投票になってしまいます。どうしても当選させたいと思うなら○を△■候補につける,それよりもどうしても落としたい候補がいるなら×を◎◇候補につける,などにしてみてはどうでしょうか?

□意見の反映

 たった○×式に変えるだけでも,ちょっとした変革が起こるやもしれません。すべての候補に対する○×記入式の投票は,すでに最高裁判所裁判官の国民審査で行われています。(×だけですけど)そんなにむずかしい改革ではないと思うのですが・・・。これだと,例えば強力な後援会に支えられている汚職疑惑候補がいたとしても,その他の民意が「×」をつければ当然落選に追い込むことが出来ます。当選させたいだけではなく,落選させたい意見も反映すれば,ちょっとした変革になるのではないでしょうか?


鷲津


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