98号 第1会議室 (2001/01/29)up down
   ● 参院選モードへ突入!
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 今年の7月に行われる参議院選挙まで6ヶ月を切りました。候補者の顔ぶれも大半の地域で出揃い,いよいよ選挙へ向けて本格的な活動が開始されようとしています。
 これまで非拘束名簿式比例代表選挙については何度か取り上げてきましたので,今週は選挙区選挙に限定して,この時期,候補者はどのような活動をしているのか?,勝つためにはこの6ヶ月間をどのような流れで活動していくべきか?,を考えていきます。


○6ヶ月前の候補者
 6ヶ月前の候補者とは,どんなことをしているのでしょうか?。
 モデルとして,□□党より選挙区から立候補予定の新人・Aさんの1日を追ってみました。

6:00  起床
  準備をしながら,簡単に新聞を読む

6:30  移動開始
  朝の街頭演説のため(スタッフが家に迎えに来る)

7:00〜9:00  街頭演説
  今日行う駅はベッドタウンにあるため,サラリーマンが出勤する時間は都市部にすむ人よりも早い。地元の国会議員が応援のため一緒に演説に参加

9:30  喫茶店で朝食

10:00  移動
  地元国会議員Bさんの後援会の新春の集いに参加のため移動開始。参議院の選挙区選挙は全県区のため,移動距離がとにかく長い。一番の苦しみと言えるでしょう。

11:00〜11:30  新春の集い(70名程度)
  地元国会議員Bさんの後援会の新春の集いに参加

12:00〜11:30  支援団体の会合
  新春の集いを中座して,すぐ近くで行っていた支援団体の会合(50名規模)に参加

13:00〜14:30  国会議員Cさんのミニ集会(30名)に参加
  ○市と△市の支持者を事務所に呼んでの集会。この集会はAさんのために開いたもので,立候補に至るまでの経緯,政治に対する思いなどを話す。

15:00〜16:30  ミニ集会(30名規模)
  約30分移動して,C議員の支持者の家でミニ集会(30名規模)

17:00〜18:30  勉強会の講師
  再び場所を移し,C議員の若手支持者によって行われている勉強会に講師として参加。この勉強会は居酒屋の一室で,飲みながら食べながらのざっくばらんな会(注:もちろん会費制。でなければ公職選挙法違反)。A候補者曰く,「立候補を決めてから参加した数多くの会合の中で最も楽しかった」

18:45  電車に飛び乗り次の会場へ移動

19:30〜21:00  支援団体のパーティー
  ホテルで支援団体のパーティーに来賓として参加。(200名)

21:30  今日初めて事務所に戻る

22:00〜24:00  事務所スタッフと共にミーティング
  今日1日の反省,街頭演説などで撒く,ビラの最終調整,日程の確認,今後の活動方針の確認。
  「今日は初めてミニ集会に参加した。これまではパーティーなど大勢の会で挨拶をさせてもらうがほとんどだったが,聞いてくれる人と同じ視点で膝を交わしながら話すのも非常に重要だとわかった。こらからはミニ集会を増やしていきたい」
  「スタッフと意識を共有させること非常に重要なこと。1日にこの時にしかじっくり話す機会がないのでミーティングは毎日欠かせません」

24:30  帰宅
  選挙の6ヶ月前から既にこの忙しさ。政治の世界で生きていこうとする人たちの大変さを,改めて感じました。


 A候補者はこの1日で約400人と出会いました。この400人の中で,何人がAさんのファンになってくれるかが重要です。同じ人と何度も会える訳ではありません。この初めての出会った数分間に,如何にして自分に魅力を感じさせることができるか?。これも政治家の資質のひとつと言えるでしょう。


○今後の活動

 参議院の選挙区選挙は,一人区もあれば二人区もあるため,選挙制度としては小選挙区と中選挙区制の間と言えます。
 ただし衆議院の選挙と大きく違うのは選挙区が全県区であるということです。移動だけでもかなりの時間を費やすため全ての地域を同じように網羅することは不可能になります(特に北海道では選挙期間中,一度も候補者が入らない地域があって当然と言われています)。

 また,全県区ということで,選挙の手法は組織型選挙になることがしばしばあります。これは,選挙の規模があまりにも大きいため,市民型や地域型選挙では支え切れないという面があるからです。

 これらを考えると,今後の当面の活動の中心となるものは,以下の4点といえるでしょう。これらそれぞれのポイントについて述べていきます。

1.ポスター貼り
 今後の活動の最も中心になるのはポスター貼りです。
 公職選挙法により選挙の6ヶ月前になると,個人ポスターを貼ることはできなくなります。その代わりとして,

●あとは購読者のみのお楽しみ●

のポスターにしなければならない)
 党所属の各候補者は,現在,個人ポスターをはがし,政党ポスターに貼りかえる作業をしています。このことからわかるように,どこの政党にも所属していない,無所属の立候補予定者は選挙の6ヶ月以内になると,ポスターを貼ることができなくなります。無所属で立候補しようとする人にとっては,かなり不利と言えるでしょう。

2.街頭演説,政党カーによる街頭宣伝活動
 ポスターによって有権者の認知度を高めていき,それに並行して,朝,夕の街頭演説,昼間の政党カーを使っての街宣活動を行っていきます。選挙期間前は公選法によりかなり厳しく活動が制限されているため,公選法を熟知したスタッフのアドバイスのもとで行っていくべきです。

3.ミニ集会,パーティーの開催,挨拶回り
 事務所によって手法は違いますが,

●あとは購読者のみのお楽しみ●

それぞれの事務所によって異なると思いますが,多かれ少なかれどれもやっていくことは確かなことです。

4.ポスター張り替え
 今貼ったポスターは選挙の行われる7月には色あせてしまうでしょう。そこで,経済的,人員的余裕のある事務所は新しい版のポスターに張り替えていきます。


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 参議院選挙は既に始まっているも同然です。この参院選が民主党を中心とした野党の政権交代の場となるのか,それとも自民党が踏ん張り再び安定政権を取り戻すのか,いずれにしろ大変に意味のある選挙です。
 今後も参院選の動向を逐一報告していく予定です。もしこのメルマガの読者の中に,実際に立候補を予定している方,事務所でスタッフとして活動している方がいらっしゃいましたら,是非ご一報下さい。できる限りのアドバイスをさせて頂きます。

※今回の文章の中に,「候補者」や「立候補者」という記述が出ていますが,実際は公選法により,選挙期間の前までは,「特定の選挙の名前」・「特定の候補者の名前」・「投票依頼,もしくはそれに当たる行為」の3点がそろうと違反になります。
 つまり,今後の活動に際しては,「次の参議院選挙に立候補する予定の○○と言います。よろしくお願いします」といった発言は違反になってしまうのでくれぐれも気をつけてください。そのためにもやはり,選挙を熟知した人をスタッフにすることをお勧めします。


緒方


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