99号 第1会議室 (2001/02/15)up down
   ● 参議院選挙大特集!!
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先週に引き続き,参議院選挙について特集したいと思います。
前回は,ポスター貼りから街宣といった個別の活動についてどうすればよいのかを書きました。今週は,順序が逆になってしまいますが,その個別活動を行うまでの計画立案についてのポイントを押さえておきたいと思います。

参議院選挙は,みなさんご承知のように選挙区であれ比例区であれ,大変大きな範囲をカバーしなければならない選挙です。最低でも,衆議院の小選挙区3つをカバーするような活動量が必要になってきます。
そのような大きな選挙になったのであれば,より効率的に活動しなければもう6ヶ月を切った時点では選挙まで間に合わなくなります。
押さえなければならないモノ,時間的に捨ててもよいモノ,そこをポイントにしていきたいと思います。


1.戦略の立案のポイント

 立候補をする人は誰もが,当選を目指して戦います。しかし,選挙を戦う上で,自分たちの陣営が現在どのような状況にあるのか正確に把握をして,当選ラインをどれくらいに置くのか,またそれを獲得するために何から手をつけていくのか分析していく必要があります。


□他候補の動向(選挙の分析)

 選挙区選挙の場合,一番のポイントは他候補の動向です。1名区に何人も立候補を予定されている場合と2人区や3人区に定数より1名ぐらい増えた立候補者がいる場合とでは,戦略を考える上で違いがでてきます。

○1人区の場合

 1人区に何人も立候補をしている場合は,よほど心して計画を立てないと苦戦を強いられます。では,そのポイントになるのは何でしょうか。
 1人区ですといわゆる衆議院の小選挙区と同じ選挙になると考えてください。そこから考えられることは

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 無党派層へは浸透しなくてよいのかと問われれば,もちろん必要ではあります。しかし,例えば人口規模が100万人の選挙区があったとして,仮にその選挙区に4名の候補が立候補したならば,単純に最低得票数は,25万票となります。もちろんこれは投票率が100%の場合であり,これが50%の投票率ですと15万票を取ればほぼ当選が確実になると言えます。これぐらい低い得票数となったときにはやはり最初の基礎票がモノを言います。無党派層の票だけに期待をし,そればかりに目を奪われることには注意しましょう。

○複数選挙区の場合

 1人区と違い,複数選挙区ですと消していく勇気を持つことが重要です。いくら当選しなければならないといっても,こちらから何度アプローチしてもなかなか支援してくれそうにない所を振り向かせる努力をしても,時間の無駄になるだけです。だったら,その時間を他の団体や有権者,特に無党派層へとアプローチすることが重要です。
 例えば,

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 そのあたりの基礎票と投票率ごとの無党派層の票数を計算して,積み上げていくことが重要です。
 基礎票だけで十分であれば,その組織内を固めていくことが重要ですし,それだけで足りないのであれば,無党派層にねらいを定めた戦術を採っていかなければなりません。その辺りの分析を真っ先に行うことが重要です。

 さて,選挙区選挙とは打って変わって,比例区は今回から大変な選挙制度になりました。それこそ全国区です。基礎票をきっちり計算できる組織をどれだけもっているのかが重要になります。つまり,この選挙制度は,組織を固める選挙となっています。ですから,どれだけ全国的な組織を味方に付けるのか,支援をしてもらえるのかが重要になります。
 今のところ,有名候補が出るような報道はなされていません。そうなると,大体30から40万票が当選ラインとも言われています。それに見合った応援態勢にあるのかが重要になります。
 この比例区は,党に所属していなければ立候補できませんから,党内で議論するのであれば,どの組織が応援してくれるのかきっちりと話をしておく必要があります。つまりこの選挙は,対外的というより対党内的の側面が非常に強いモノです。


2.戦術の立案のポイント

 さて,選挙区の場合と比例区の場合それぞれの場合で,何を重点に計画を練っていけばよいのか,そのポイントについてお話をしました。基礎票に重点を置く陣営,無党派層へ浸透を図ろうとする陣営,それぞれ狙うポイントが変わってきます。では,これからその計画を実行していくために必要なポイントを挙げたいと思います。


□基礎票の確保

 それぞれの選挙区の事情があると思います。自分たちの客観的な状況をふまえ,基礎票をどのように獲得していくのか,そのためのポイントは何でしょうか。
 基礎票となるのは,後援会の名簿や支援団体の名簿などが元になってきます。その元になる名簿や団体がどれくらいあるのかが重要ですが,各種団体の場合,ある程度色分けがなされているのが現状です。

○1人区の場合

 1人区の場合,各種団体の色分けはどうしても時の政権党へ支援する傾向が強いです。
いわゆる雪崩現象といわれるモノです。この場合,その政党に所属している場合には,非常に有利に推薦や支援の輪を広げることが可能です。手間を惜しまず,選挙区内のすべての団体に推薦をもらうつもりで活動を広げるべきです。
 そのような団体の名簿は,

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 さて,政権党でない場合はそのような活動が困難になります。しかし,ある程度推薦活動や支援依頼活動をすることが必要です。それを行うことで,各団体内で支援を一本化させないような状況に追い込むことも必要です。非常な手間がかかりますが,惜しんではいけません。

○複数区の場合

 複数選挙区の場合,色分けされている各種団体に,1人区のようなアプローチの仕方が適当だとは言えません。複数区の場合は,広く薄くよりも深くその団体とつきあう方(KSDのように付き合えという意味ではありません)が重要であるからです。広く薄くですとどうしてもその団体の幹部ぐらいまでしか話す機会がなかったりします。その場合,組織に所属し活動の手足となるべき人たちに,「顔も話も聞いてことない人を何故?」という印象を持たせることになり,支援の輪を広げる熱意にも影響します。昔のように組織の上が決めたらそれに右に倣えという状況でもなくなっています。その状況をふまえ,まずは応援してくれる団体を押さえに走ることを重視すべきです。


□無党派層への浸透

 無党派層への浸透は,その選挙区の事情にもより,活動の濃淡はあると思います。しかし,大きな選挙ですから全く必要ないわけではありません。
 では,どうすればよいのでしょうか。
 実はこれをすれば無党派層へ浸透できるという方法はありません。その時のムードにも流されやすいという有権者事情もあり,一筋縄ではいきません。しかし,その時のポイントとして,決して基礎票を軽視して無党派への浸透はないということです。
 水鳥が川面を優雅に漂っているときに,実は水中にある足は非常な勢いで動いているということを思い出してください。
 実は,無党派層への浸透に一番重要なのは,その水中の足であるのです。支援組織をフル活用し,熱心に動いてもらった結果とアピールするようなイベントの開催などで選挙戦に向けたムードを高めることが一番重要であると思います。
 無党派層への浸透は,実は選挙直前でもよいくらいです。それまでのあと6ヶ月は,無党派を動かすための活動と割り切って,地道な活動をすることが必要です。


吉田


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