105号 第1会議室 (2001/03/19)up down
   ● 参院選活動報告記
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 今年の7月に行なわれる参院選に向けて,各地域,いよいよ本格的な活動がスタートし始めています。私も通勤中に駅前で街頭演説をしている候補者を見たり,昼間は会社の前をテープを流しながら走る街宣車も見かけるようになりました。

 各候補者の事務所も,人の出入りが多くなり,忙しく直り始めている時期ではないかと思います。
 読者の中で,「選挙は7月なのに今から一体何をしているのか?,そんなにすることがあるのか?」という疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。
 そこで今週は,以前に「秘書の1日」を特集したのと同様な形で,現在参議院選挙区選挙で立候補予定の新人候補の事務所でスタッフをしているAさんの1日を追いかけてみました。

○Aさんプロフィール
年齢 27歳

事務所での役割 街頭宣伝担当

これまでの選挙経験
 前回参院選(3年前)では学生ボランティアとして参加。その後のいくつかの選挙でも学生の先頭に立って,外部隊としての活動が中心。昨年6月の衆院選で初めて,中で企画を立て,人を動かすポジションを経験。

スタッフになったいきさつ
 参議院選挙に向けての事務所開設に伴い,以前から手伝っていた衆議院議員事務所より誘われる。勤めていた食品メーカーを辞め,スタッフに。本人いわく,「一度政治の世界に入ったことある人間は,離れても,また戻ってきてしまうことが非常に多いようですよ」

候補者との関係
 事務所スタッフになって初めて知り合ったため,まだ3か月弱の関係。「信頼関係を築くにはもう少し時間が必要です」


○Aさんの1日

9:00 出勤 軽く新聞に目を通す。

9:30 本日の運行計画の確認
 毎日,運転手と道案内役を手配し,本人は乗車せず,街宣車だけを動かしてもらっている。普段は本人が吹き込んだテープを流しているが,時にはうぐいす嬢(ボランティア)が乗車することもある。

10:00 来週1週間の街宣計画作成
 月ごとに大まかな街宣計画は作ってあるが,候補者の日程が日々変更されていくため,候補者が関係する街宣計画(朝の街頭演説,候補者が乗車しての街宣活動など)も変更していかなければならない。
 「候補者の前後の日程を考慮して,出来るだけ移動の時間,タイムロスを少なくし,効率的な活動にするのが最も苦労します。特に参議院は全県区なので移動距離が非常に大きく,なかなか難しいですね。」

12:15 昼休み

13:00 事務局会議
 週に1回,各担当の進捗状況の報告,スタッフの意識合わせの目的で行なっている(さすがにこの会議に同席することは出来ず)。

15:00 街宣担当地方議員との打ち合わせ(地方議員事務所にて)
 事務局会議での話し合いをもとに,今後の街宣活動の方向性について話し合う。実務はAさんが行なっているが,重要な部分での決定権は街宣部長である地方議員にあるため,その都度打ち合わせが必要になる。しかしこの時期,議会が開会中であるため地方議員も忙しく,なかなか時間が取れないのが悩みの種,とのこと。今日も15時でアポを取っていたが,議会が延びて会えたのは16時前だった。

17:30 ポスター貼り
 この時期に最も大切な活動のひとつにポスター貼りがある。候補者の名前と顔を知ってもらわなければならない。もちろん立候補という記述のあるポスターでは公選法違反になってしまう。どの候補もよく行なう手段として,政党演説会の告知のポスターの中に,候補者を弁士として登場させている。(※ポスターに関しては,まだ多くの規制があるためここでの細かい記述は省略します。もし聞きたいことなどありましたら個別に対応させていただきます)

 Aさんは議員事務所から帰る途中に,ポスターを貼っても良いと言われているお宅を3件寄って,ポスターを貼ってもらってきた。

19:00 事務所に到着
 明日の自分の動き,候補者の動きを確認し,朝の街頭演説に使用する機材(スピーカー,のぼり,ビラなど)を準備する。

19:30 事務所を閉め帰宅
 現在のところ,基本的には19時に事務所を閉めている。「早いのでは?」という意見もあるが,「あと2ヶ月もすれば嫌でも帰られない日が続くことになる。今は絶対その日のうちにやらなければならない仕事は少ないし,帰られるときに帰っておくべき」という事務所のスタンスがあり,この時間に閉めるようにしている。


【感想】
 1日Aさんと共に行動させてもらいました。私自身も以前の選挙で街宣担当をやっていた経験がありますが,街宣担当の一番の腕の見せ所は,普段は候補者とは別行動で動かしている街宣車を,随所で候補者とドッキングさせるなど,如何にして効率的な街宣計画を組めるかというところです。

 Aさんに,最も苦労していることは何ですか? と尋ねたところ,「最も苦労しているのは,運転手と道案内の人の手配です。この時期からボランティアして頂ける方はなかなかいません。誰でもできるというわけでもありませんし。人の手配がつかないこともしばしばあります。そんな時は結局私が運転しています」との回答。
 私の経験上,外の活動をしながら計画も立てるというのは,かなり大変なものがあると思います。やはり新人候補の事務所はまだまだ人が足りないという現状があるため,致し方ない部分もあるのですが。
 それにしても,Aさんはまだ若いのに,話し方,接し方,風貌が40才ぐらいの方のように見えました。政治の世界にいる人は,年上に見られがちだそうです(老けているということ?)。

 Aさん,大変お世話になりまして,ありがとうございました。


緒方


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