110号 第1会議室 (2001/04/23)up down
   ● 総裁選と参議院選挙…その後
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 いよいよ明日(4月24日),自由民主党総裁選挙の本選挙が行われます。
 現在の時点(4月23日午後8時)では,予備選の結果,小泉純一郎氏が120票以上獲得し,圧勝の様相を呈しております。

 ここで総裁選挙の始まりから振り返ってみることにします。

□総裁選挙の前倒し

 自民党の森おろしの気運が高まった3月初旬,自民党の首脳陣が集まり,総裁選挙の前倒しが決定されたと言われています。森内閣事実上の退陣がこの時点決定されましたが,当の本人がいつ退陣を表明したのかは,国民の中でも知っている人は少ないのではないでしょうか?(確か先週だったと思います。)

 実際は現総理大臣の森さんが正式に退陣を表明するよりも先に総裁選が開始されました。実際に立候補を表明したのは,橋本派からの立候補した堀内派が支持する「橋本龍太郎」氏と,江藤・亀井派からの立候補「亀井静香」氏,森派から立候補し,山崎派・加藤紘一派・田中真紀子氏が支持する「小泉純一郎」氏,河野グループ・旧河本派から「麻生太郎」氏の四氏です。

 風雲急を告げる総裁選挙。圧倒的多数の国会議員を擁する「橋本・堀内連合(145名)」,対峙する二番目の勢力「YKK(森派・山崎派・加藤派)グループ(97名)」,亀井静香率いる「江藤・亀井派(55名)」,麻生太郎を推す「旧河本派・河野グループ(25名)」,このままの総裁選ではどの陣営も過半数をとることはできないようです。

 そこで上位2名による決選投票になったときは,3番手勢力である「江藤・亀井派」がどちらの候補に荷担するかで,決選投票のキャスティングボードを握ることになります。と考えると,江藤・亀井派と決選投票で協力を勝ち得た方が次期総裁への近道となるいえます。つまり橋本氏・小泉氏とも,江藤・亀井派の顔色をうかがわなければならない状況になっているのではないでしょうか。

 しかし,今回の総裁選挙には,本選挙に重大な影響を及ぼす最大投票数勢力が,実は存在します。予備選挙の結果で投じられた「地方票」です。地方票は全部で141票あります。各都道府県に3票割り当てられています。これは「橋本・堀内連合」に匹敵する数です。この大量票の行方次第では,総裁選挙の結果が大きく変化してきます。極端な話,141票すべてを勝ち得た候補は,かならず決選投票にもつれ込むことが可能です。

 さてこのような多数の「地方票」が今回の選挙の大きな要素をしめるのは明らかなのですが,この地方票は,本日(23日)にすべてが開票されます。現在の時点では,小泉氏にそのほとんどが集まっているような状態です。本選挙をまたずして,地方票の開票がすべて終了する23日の結果により,江藤・亀井派は対応を決定することになるのでしょう。現在は小泉氏との連携の道を探っているようです。また江藤・亀井派の重鎮,中曽根大勲位と小泉氏はすでに会談済みのようです。小泉支持の国会議員票+地方票+江藤・亀井派の票ということになると,小泉氏は必ず決選投票に残ってくることになるでしょう。

 地方票の数いかんでは,もしかすると第一回目の本選挙で,過半数を獲得するやもしれません。こうなってくると橋本陣営も対応せざるを得なくなってきます。もし対決して負けるようなことになると,自民党内でのポスト争いでは,ひやめし食いになるやもしれません。そうなると最大派閥の橋本派内で分裂や離反なども起こってくるかもしれません。現に若手議員は,派閥の長の意に反した動きをしているようですから。この小泉氏の勢いを止めて,たとえ決選投票で橋本氏が数の論理で勝ったとしても,自民党員・党友の総意に反した総裁を選んで次の参議院議員選挙を戦うのは,もしかすると・・・。橋本派内ではおそらく,そのような議論も行われているのではないでしょうか?参議院議員選挙もにらんでの動きをとらなければならないというのは,おそらく橋本派の実力者野中さんも計算しているのではないでしょうか。

 さて明日行われる総裁選挙,最終的には橋本派・堀内派の動き如何で決まってくるのでしょう。決選投票で橋本氏が勝つように全力で持っていけば,勝てる可能性は極めて高いのではないでしょうか?最大派閥の武器はかなり強いと思います。全力で勝ちに持っていくか?名誉ある撤退をするか?で,総裁選挙は決まるのでしょう。勝ちは選挙の開票が終わるまでわかりません。なぜならぎりぎりまで敵か味方か分からない政治の世界の国会議員の投票ですから。最後の票が確定するまでは,この勝敗の行方はわからないでしょう。明日の24日が楽しみです。


□総裁選挙後,参議院選挙

 総裁選が終わりますと,いよいよ参議院議員選挙にむけた動きが加速します。
 この参議院選挙では,野党は「衆議院議員選挙」に代わる「民意」を問う選挙だと位置づけて,与野党対決に持っていくようです。自民党内でも集票の動きがこれほどまでに悪かった今回の総裁選挙をふまえて,おそらく自民党の幹部は,農村票・建設票・郵便票など,従来自民党が得意としてきた集票力を改めて見直し,是が非でも勝つの布陣で望んでくるのでしょう。

 しかし,もし小泉氏総裁になって郵政三事業の民営化に真っ向勝負をすると,当然反対を表明している「全国特定郵便局長会」は,自民党に投票しない可能性は否定できないと思います。そうなってくると,参議院選挙はかなり混沌としてくると予想されます。果たして改革の人・変革の人の小泉さんが参議院議員選挙を乗り切れるかどうかは,現在のところわからないといったほうがよいでしょう。しかし改革・変革が予想以上に功を奏した場合には,自民党政権の信任という道もあるのでしょう。

□アメリカ景気の減速。日本の挑戦

 アメリカの景気は減速傾向にあるように見受けられます。二度にわたる公定歩合の引き下げなど,以前ではおこなわなかったような手法を取り入れながら,景気の減速に対する措置を講じているようです。なぜ総裁選挙の話題にアメリカの景気が・・・と思われることでしょう。実は世界が待ち望んでいる政権与党の自民党の改革は,景気に直結するものであるようです。

 現にまだ総裁が決まっていない時点でも,小泉氏が新総裁になるのではという報道を受けて以降,市場が敏感に反応したり,世界のメディアが歓迎したりと,日本の総裁選挙は世界的な事象となってきています。

 アメリカ景気の減速がいわれているときに日本に好感できる話題,新しい時代の到来を予感させるような話題が出てきたら,アメリカへ行くことをためらっていたマネーが,日本市場に戻ってくるのではないでしょうか?そう考えてくると,自民党の総裁選挙後,自民党がどのように変革できるかどうかで,世界市場は大きく動き,日本の景気回復につながってくるのではないでしょうか?

 明日(24日)の総裁選以降,日本がどのようになっていくのか?すべては新総裁が何をするのか?何ができるのかで決まってくるのでしょう。参院選以降,日本の景気回復をつとに願います。


鷲津


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