第114号 第1会議室 | (2001/05/21)![]() ![]() |
● 参議院選挙 政党公認候補と無所属候補 ● |
□参議院選挙制度の改正 参議院議員選挙制度がこのたび改正されました。(総務省のホームページに詳しく掲載されております) それによると,非拘束名簿式比例代表制が今回新しく導入されました。 非拘束名簿式比例代表制については,以前とりあげさせていただきましたので,今回は割愛します。 今回から新しくなった選挙の方法について見ていきます。 総務省の資料によると,今回政党から提出される参議院名簿に記載された人は, ●選挙事務所・・・1カ所 ●自動車2台もしくは船舶2隻(および拡声器 2揃い) ●文書図画の頒布 ▼通常葉書(郵送料は無料)・・・15万枚 ▼届出済の2種類のビラ・・・25万枚 ●七つ道具 ●選挙運動用ポスター・・・7万枚 など(詳細は総務省ホームページをご覧ください),選挙に必要な道具を持つことができます。 今回から比例代表制では個人名を記載してもらう必要があることから,このような通常選挙区で行われる選挙のような方式になったのでしょう。 ----------------------------------------------------------- □数百台の街宣車,数千万枚のはがき・ビラ,数百万枚のポスター 前回の平成10年の参議院選挙比例代表には158人が立候補しました。 今回,もしも同じ数の立候補者が出るとすると,最大316台の街宣車や船舶,最大2370万枚のはがき,最大3950万枚のビラ,最大1106万枚のポスターが全国に展開されます。選挙区選挙の数にこれが今回プラスされることになります。 全国展開で,もしも数百台の街宣車が走ることになるとすると,おそらく初日や最終日,人出の多い場所を選ぶのではないでしょうか?。 そうすると例えば全国的に見て人出の多い東京の新宿西口や渋谷センター街,大阪梅田駅前などに大量の街宣車が集結してくるのではないでしょうか?。 でも実際は各党内で調整をして,繰り出す街宣車などを極力減らす算段をつけるでしょうから,このような光景はないとは思います。 しかし選挙期間中に街宣車を走らせていて,お昼の街頭演説をやろうということになると,もしかすると自然発生的にかなりの街宣車の群になるのやもしれません。このような光景が見れたら,今回の参議院選挙からの見せ物としておもしろいのではないでしょうか?。じっくりと各候補者の主張を聞けるチャンスです! ----------------------------------------------------------- □現場サイドでの・・・ ではこのはがきなどは,実際誰がどのように書いて手配しているのでしょうか?。 現場で長年選挙に携わっているH氏にお話を伺ってみました。 鷲津「今回の参議院選挙は,今までと比べてどうでしょうか?。」 H氏「・・・聞かないでください」 鷲津「といいますと」 H氏「もうねぇ,わけわかりません。今までは選挙区候補の応援と党の応援の2本のお願いで良かったのですが,今回からは今まで聞いたこと無いような候補の個人リーフレットが送られてきます。もちろん今までも党から比例代表で当選していた人だけど,比例代表は●●党と書けば良かったのに,今回からは誰々と書いてとお願いしなきゃいけない・・・」 H氏「それだけだったらいいけど,○○氏分が100票,○×氏分が50票,○△氏分が50票,○□氏分が50票なんていわれたら,もういい加減にしてくれって感じだね」 鷲津「今までは●●党で終わっていたのが,今度は名指しですか・・・」 H氏「うちは○○業関係だから,元○○官僚の人4名を応援しなきゃいけない。誰にどのひとを割り振るか,頭痛いよ・・・」 H氏は○○業の協会関係者。それだけに○○業おきまりの談合的票の割り振りで頭が痛いようです。 もっと頭を悩ませているのは業界の幹部の方ではないでしょうか?。全国的に考え,○○会社に●●氏分を1万票,○×会社に●×氏分を1万票などと,トータルで当選ラインを確保しなければならないので,そのライン決めなどが大変なのではないでしょうか?。ドント式で当選者を割り振り,更に名簿の中から個人別に得票数の多い順に当選していくとなると,当選ラインなどはどのように決めているのでしょうか?。聞いてみたいところです。 ------------------------------------------------------- □政党公認候補と無所属候補 さて,ここまで改正された参議院議員選挙制度を見てきましたが,これが政党公認候補と無所属候補にどのように影響を与えるのでしょうか?。 ●確認団体車 選挙区選挙における街宣車は通常1台です。これは政党公認候補も無所属候補も同じです。 ですが,政党には確認団体車というものが存在します。全国で候補者を何人か出すと,それに合わせて街宣車がオプションでついてくると理解してもらっても良いです。参議院選挙は,選挙区が大変広いので,1台の街宣車で回すということが困難です。選挙期間中に数回この確認団体車が選挙区をまわってくれるのは,やはり無所属候補と大きく差がつくことでしょう。 ●比例候補の街宣車とドッキング 今回,比例候補者は2台の街宣車を持つことが可能です。ですので,選挙区候補がこの比例候補者の街宣車とドッキングをして,選挙区内を走れば,実質選挙区内で2台以上の街宣車を走らすことが可能です。政党によっては集中的に比例候補者の街宣車を配置すれば,選挙区候補を応援する街宣車が20台なんていうことも夢ではありません。また,比例候補者の中で1台しか街宣車を持たない人と,もう1台の街宣車を共同で走らせようなどと提案をすると,常時選挙区に2台の街宣車を走らすことも可能です。 無所属候補では,これらのことは全くできません。 ●政談演説会が開催できる。 政党では,政談演説会を開催できます。このとき,呼び込みのための看板を設置することができます。無所属候補は政党に属していませんので,政党主催の政談演説会を開催することができません。 (鷲津)
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