第118号 第1会議室 | (2001/06/18)![]() ![]() |
● 「ネットを使った選挙戦」〜ブロードバンド時代の胎動〜 ● |
□ブロードバンド時代の胎動 「ブロードバンド」という言葉が最近よく聞かれるようになってきました。 「ブロードバンド」とは「広帯域ネットワーク」ということなのですが,これを単純に言うと,大量のデータの送受信が可能なネットワーク・応答の速いネットワークであるということになります。 ホームページの中でいわゆる「重いページ」が,大量のデータの送受信により,あっという間に表示が可能になります。また大量のデータの送受信が可能なことから,データ量の多い音楽やビデオの配信にすぐれた能力を発揮します。 最近では,いよいよブロードバンド時代が到来したのか?,と思うほど,ブロードバンド実験サイトやブロードバンドサイトが増えてきています。これはケーブルTVインターネットの普及やADSLの普及,首都圏での多種多様なブロードバンドネットワークの普及によるものだと思われます。 使う人が増えれば当然提供するコンテンツも増えるといわんばかりに,映画の予告編が見れたり,料理番組が見れたり,落語が見れたり,また過去のアメリカ大統領の演説が聞けたり(1941年12月7日のルーズベルト演説を聞きました)と,バラエティーに富んだ内容になっています。 今までのアナログ回線やデジタル回線(ISDN)だと画面が小さかったり,コマ送りのようになったりと,見えにくかった映像が,かなりはっきりとしかも大きなサイズの画面で見ることができるようになっています。 □さっそく利用してみて・・・ 筆者もつい先日ADSL回線を導入しましたので,さっそくブロードバンド実験のサイトなどを覗きに行きました。まずは映画の予告編をたっぷりと見ました。それを横で見ていた彼女に「もう映画見に行かなくても,インターネットで見れるの?」と言われました。 遅かれ早かれ,そういう時代は必ずやって来るのでしょう。さすがにADSLでは1024×768の大画面表示ではちょっと厳しいようですね。ちょっと画像の質を落とさないと動きがとまったり,コマ送りのようになってしまいました。(※鷲津マシンの場合) □ブロードバンドになって さて昨今のインターネットの通信環境が,ケーブルTVインターネットやADSL,無線通信,光ファイバーなどで,その通信速度が劇的に変化している中,メールのやりとりやメールでのファイルのやりとり,ホームページなども,今までのアナログ・ISDN中心の考え方では,ちょっと物足りなくなってきているのではないでしょうか?。 前述のADSLを使ったところ,10MBのファイルを約1分30秒でダウンロードしてきました。今までのアナログ・ISDNとは数十倍も早さが違います。(※鷲津マシンの場合) 今はインターネットの通信環境が,劇的に変化している最中です。まだまだADSL以上の早さを利用できる人たちは,多いとはいえないのかもしれません。 それでも数百万人以上ともいわれるCATV・ADSL並以上の通信速度を利用している人たちにターゲットをしぼって,これからのブロードバンド時代のインターネットの選挙利用を,2回に渡って考えていきたいと思います。 □政治家のインターネット利用状況 いよいよ参議院議員選挙が来月に迫りました。今回から新しく非拘束名簿式比例代表制,ようは全国の人に自分の名前を書いてもらわないといけない方式が採用となりました(詳細は数回前の本誌で)。 やはり全国街宣車キャラバンで知ってもらうよりも・・・ということではないでしょうが,今回比例区で出馬予定の皆さんは,多くの方がホームページを開設しておられます。ホームページを見ると,いつものようなアナログ・ISDN回線向けの軽いホームページの作りになっているところが多いです。最近の流行なのでしょうか?,ショックウェーブやフラッシュなどの技術を使って,動きのあるホームページを作成しているところが多いです。 ホームページの内容はというと,プロフィールの紹介・私の主張・所属政党・政党での役職・過去の活動・プライベートなことの紹介・アンケート・意見受付・日記などでしょうか。 たまに講演会などの映像を配信しているところも見受けられました。これだけを見ていると,どうもブロードバンドという言葉は遠い国のお話のように見えてきます。やはり政治がこういったものをいちはやく・・・というのはまだまだなのでしょうか。 □ネットで拓く,明るい選挙? 話が大幅に変わりますが,戸別訪問が禁止されているのは,皆さんご承知の通りです。むかし,戸別訪問中に金銭の授受がおこなわれたり,また物を渡したりと,票の買収行為が頻繁だったためにこのような処置を取ったとも言われています。 しかし世界を見渡すと,戸別訪問を禁止していない国もあります。戸別訪問の効用は,有権者と直接政治についての対話ができるから,なのだそうです。それで禁止していないそうです。 さて先日,某党の党首が,インターネットでテレビチャットをやっている姿を見ました。新しい挑戦はいろいろと始まっています。直接対話を掲げる内閣が,国民との対話集会を開き,それをインターネットでリアルタイム配信をするなど,様々です。 この情報を受け取る方々は,おそらくご家庭にいらっしゃったり,ネットカフェからであったり,会社であったりと,様々でしょう。 実は,これも直接政治の対話をするひとつの形となっているのではないでしょうか?。 ADSLの普及率が世界一の韓国では,ネットを利用した顔を見ながらのチャットが,はやっているそうです。 全く見ず知らずの人たちとインターネットを通じて,お互い顔を見ながらコミュニケーションを図るのは,ある意味,遠隔地間コミュニケーションの最終形だと思われます。相手の姿形を見ながらの会話でしたら,電話に比べて,はるかにコミュニケーションが図りやすくなると思います。 この形態を応用すれば,お互い事務所と家庭や会社にいながら,政治家と有権者が直接対話をすることが可能となるのではないでしょうか?。そうすれば,戸別訪問と同様の効果を得ることができ,また買収行為は行いにくくなるのではないでしょうか? □議論の余地はたっぷりと 議論の余地はたっぷりとあると思います。まだまだ日本ではパソコンにビデオカメラをとりつけて,顔を見ながらお話をすることはそんなに普及していません。政治家の事務所でもネット対応が自前でできるところも少ないと思います。 しかし,これをなんとか普及させる活動をおこなえば,新しい政治主張の形態を作ることができるのではないかと思います。 そこで,提案です。 「ビデオカメラとブロードバンドで,直接顔の見える対話を」 まずは後援会の案内やリーフレット,アンケートなどに,インターネット利用の有無,PHS・アナログ・ISDN・ADSL・CATV・無線・光などのインターネット回線の種別,を記入する欄を作成してみてはいかがでしょうか?。選挙区内の有権者のインターネット使用状況を把握することは,この提案を実現する上で重要になってくるのではないでしょうか?。 またインターネットを利用していない方には,是非無償で事務所スタッフが教えに行くというのはいかがでしょうか?。今やパソコンは当たり前に近い感覚がありますから,人的供与での買収行為には当たらないのではないでしょうか?(議論の余地があると思いますが)。 □新しい提案に是非ご意見を! 今回の特集は,別にこうやればこうなるので,こうしましょうというようなものではありません。これからの時代を見据えて,是非このような活動を広げていきませんか?,という提案です。 ですので,是非, ・こうすればこのような効果が出るよ ・ここの部分はこうしたらいい ・ブロードバンドと選挙をこのように組み合わせては? など,さまざまな意見を募集します。 ご意見は匿名で結構です。(記名いただけるとありがたいですが・・・) washidu@officespc.com まで,ご連絡ください。 第2回目の特集では,ブロードバンドを利用したより具体的な企画,それを応用した新形態などのお話をしていきたいと思います。 (鷲津)
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