161号 第1会議室 (2002/04/22)up down
   ● 政治家の朝立ち論
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 統一地方選挙まで,いよいよ1年を切りました。最近はちらほらと,朝,駅前や交差点で街頭演説をする現職の自治体議員,自治体議員とともに行う国会議員の姿が見えます。また,これまでは見なかった顔の人も街頭演説を行っている時があります。新人で立候補を予定している人なのでしょう。新人候補者は知名度の点で,現職候補者や立候補経験のある候補者に大きく差をつけられていますので,この時期から地道に行うことは,非常に効果的といえるでしょう。

 この朝立ち,通行人からしてみれば,「朝からやかましい」,「急いでいるときに邪魔」という声も聞かれます。ただ,朝立ちをしているだけでは,逆に票が減ることも予想されます。
 では,どのようにすれば,少ない反発で,より大きな効果を生みだしていけるのでしょうか?

 そこで今週は,私がこれまで見てきた十数人の候補者,議員など「朝立ち経験者」から学ぶ朝立ちの手法を紹介していきます。


●朝立ちの目的

 朝立ちの手法を紹介していく前に,そもそも朝立ちとは何のためにやるのでしょうか?
 選挙前に行う朝立ちは,知名度アップが最も大きな目的となるでしょう。
 しかし,この時期に行う朝立ちは,決してそればかりではないように感じます。
 知名度アップの以外に,現職であれば選挙前だけのパフォーマンスに終わるのではなく,国政や市政の状況を議員に当選させてくれた住民に知らせることは,当然の義務になります。それは,通行人の大部分が聞いていなかったとしても,税金で活動させてもらっている議員の,議会と住民との橋渡し役となるべき議員の,重要な「仕事」です。
 また,有権者に対して,現職になってからもしっかり活動しているという,「報告」の意味も込められます。
 同時に,演説しながら配るチラシを見てもらうことも,重要な目的となるでしょう。

 現在の朝立ちは,選挙前のパフォーマンス的要素が強いかも知れませんが,本来の朝立ちは,上記の目的を考えた場合,「当然の」ことではないかと感じます。


●演説する場所

 たいていの人は駅前で,通勤する人たちに対して演説しますが,選挙区によっては,駅の数が少ないところもあり,その場合は交通量の多い交差点で行うこともあります。
 交差点で行うときは,逆に歩行者は少ないため,チラシを配ることよりも,のぼりを立て,車から誰が演説しているのかをできるだけわかりやすくすることに重点を置かなければなりません。

【こんな人もいました】

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●演説だけか,チラシを配るか

 駅前の,最も目立つところから,マイクで街頭演説のみを行う人もいれば,できるだけ通行人に接近した場所でスピーカーとワイヤレスマイクで演説,それにプラス,スタッフやボランティアとともにチラシを配る人もいます。

 通行人の大部分は演説の話は聞いていないでしょう。その点,チラシがあれば電車を待ち時間や乗っている間に目を通してくれる可能性があります。

【こんな人もいます】
 演説のためのチラシではなく,チラシを撒くために演説をする人,つまり,チラシを最優先している人もいます。
 チラシに○○駅版と入れて,その駅専用のチラシを作るところもあります。
 そうすると,同じチラシを何度も同じ駅で配るわけにはいかないので,週に1回はチラシを作り変えなければなりません。


●人数

 チラシの有無,駅の大小によって必要人数は変わってきます。

 大きな駅でチラシを撒く場合は,理想は通行人すべてにチラシを配れるようにすることです。そうなると,最低5,6人は必要になるのではないかと思います。
 小さな駅(改札が一つで乗降客も少ないところ)で配る場合は,大人数で行うとかえって異様な雰囲気になり逆効果になる恐れがあります。そのような場所では,演説者ともう一人の二人で,地道に行っていますというイメージでやる方が効果的と言われています。


【こんな人もいます】

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●演説する位置

 自分の名前の入った車(街宣車)の前で演説する人,街宣車の上に立って,より多くの人に見える形で演説する人,逆に地道さを表すため,スピーカーとマイクでできるだけ通行人と接近して演説する人もいます。

 これはどれが良いかは,場所や状況によって違いますが,共通して言えることは,「最低限のルールは守ること」です。街宣車の置く位置は8,9割の確率で駐車禁止のところに止めることになります。その時,できるだけ周りの邪魔にならず,そして注意を受けたら即座に中止するつもり行わなければなりません。
 スピーカーとマイクでやる場合も,駅の構内は私有地ですので,演説(チラシ配りも)をしてはいけません。公道でしかも通行人の邪魔にならないようにしなけれなりません。


●テクニック

 効果的な朝立ちにするため,上記以外にも人によって細かな工夫をしています。どれが最も効果的かは,状況や行う人のタイプによって違いますので,ここでは,これから新人候補として立候補を考えている読者の皆さんへ,参考までに,どのような工夫をして朝立ちをしているか,羅列で紹介します。


・立て看板の位置は,人の邪魔にならないことが最優先。それでいながら,目に付くところ

・スタッフが演説をし,本人はチラシを配る
 スタッフの演説内容は「ただ今,○○本人が皆様にチラシをお配りしています。どうぞ手に取って一度お目通しください」
→通行人と出来るだけ身近に接するための手段



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・予定の時間を過ぎても,この駅をいつも利用する○○さんに会っていないため,延長する

・スピーカーの位置は,通行する人や,民家に対して真正面にならないよう気をつける



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 朝立ちは現職と,そうでない人では,訴え方も,手法も異なってくるかと思います。しかし,「自分の活動を住民に見てもらう,伝える」という,朝立ちの根本は同じです。
 現在朝立ちを行っている読者,これから行う予定の読者の方々へ,単なるパフォーマンスではなく,「深み」のある朝立ちを行っていただきたいと思います。

緒方


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