180号 第1会議室 (2002/09/02)up down
   ● 統一地方選挙,どの候補に投票する?
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「投票をされるとき、どのような判断で、誰に投票をしますか」
と聞かれた場合、
「では、あなたはどういう判断で?」
と普通は聞き返したくなるようです。

 私は同じことを聞かれて「そうですねぇ・・・」と、逆にちょっと考え込んでしまいました。
 実際に考えてみるとむずかしいですね。投票する前からすでに投票する相手が決まっている場合が多かったので、「記名するとき何を考えて投票しているかなぁ」とじっくり考えないといけないほどです。

 では立候補を決めた方に「どういう判断で?」、なんていうことを考えてもらっても、なかなか第三者的に投票判断を考えるというのは、むずかしいかもしれませんね。

 この真理が分かれば、おそらく誰でも当選できるに違いありません。
 真理はわからないかもしれませんが、それに近い分類はできるかもしれません。

 そこで今回は、投票の判断分類を考え、来年の統一地方選挙の役に立つような論が展開できればと考えています。


□長野県知事選の結果

 みなさんもご承知の通り、先日長野県議会で田中康夫県知事に対する不信任案が可決され、県知事が辞職しました。県知事の辞職に伴う選挙は昨日おこなわれ、田中康夫前知事が当選されました。
 長野県知事選挙の投票率は73.78%。長野県選挙管理委員会の発表によると、投票総数1,290,418票、有効投票数1,280,091票、無効投票数10,327票、持ち帰り・その他78票だったそうです。

 この投票総数1,290,418票には、1,290,418人による1,290,418通りの判断があったことでしょう。1,290,418人にひとりひとりに個別アンケートをすれば、すべて何を判断として投票をしたかがわかるのでしょうが、そのようなアンケートをやるのは現実的ではないですね。例えばアンケートをすべてとってみて、それからどのように投票したのかをある程度分類することで、投票の判断分類ができるのではないかと思います。


□有権者はいったい誰に投票するんだろう・・・

 選挙に出馬する方にとっては「投票日には、絶対私に投票を」と思っていることと思います。選挙に出馬した方にとっては、有権者が誰に投票するかによって当落が決定しますから重大な関心事だと思います。
 通常、投票行動の分析というと、どこの党に所属している人がどれだけいるからとか、あそこの党は支持者が熱烈だからとか、とかく党中心の投票行動の分析になっているのが現状だと思いますが、今回はあえて分類を考えていくということにしますので、切り口を変えてみたいと思います。

 実際にはどのような判断があるのかを見ていきます。


□最終的に記名するところから考えてみる

 記名するときに、最終的にどのような判断をするのでしょうか?
 今まで聞いたことのあるお話から、実例を挙げてみたいと思います。

(本人の演説)
 ・本人の演説を聞いて投票したくなった
 ・街頭演説が熱心だったから
 ・毎週朝に駅立ち演説をしていたから
 ・選挙期間中の演説を見て
 ・街頭宣伝車でのお話を聞いて
 ・個人演説会でお話を聞いて

(本人の特性)
 ・一生懸命がんばっているから
 ・まじめに政策を立案しているから
 ・議会でいいことをいっているから
 ・いつもいいことをいっているから

(本人との関わり)
 ・本人に会ったことがあるから
 ・本人としゃべったことがあるから
 ・本人とゆっくり話をしたことがあるから
 ・本人と一緒になんらかの活動をしたことがあるから

(本人の名前)
 ・名前が書きやすいから
 ・名前が好きだから
 ・自分と名前が同じだから
 ・名前がかっこいいから

(本人の容姿)
 ・顔がかっこいいから
 ・若いから
 ・好みのタイプだから
 ・仕事ができそうな顔だから

(本人の住まい)
 ・家が近所だから
 ・家が町内だから
 ・家が同じ校区だから
 ・家が市内/区内だから

(同じ出身)
 ・同じ小学校の出身者だから
 ・同じ中学校の出身者だから
 ・同じ高校の出身者だから
 ・同じ大学の出身者だから
 ・同じふるさとの出身者だから

(同じ所属)
 ・同じ会社に勤めていた/いるから
 ・同じ組合に入っていた/いるから
 ・同じ町内会にいる/いたから
 ・同じ宗教に入っていた/いるから
 ・同じ団体に入っていた/いるから
 ・同じ党に入っているから

(団体の応援)
 ・その政党を応援しているので
 ・政党を応援している団体を応援しているので
 ・所属している業界団体が応援しているので
 ・所属している団体が応援しているので

(選挙用の広報)
 ・選挙用ハガキを見て
 ・選挙用ビラを見て
 ・選挙用リーフレットを見て
 ・選挙用チラシを見て
 ・選挙公報を見て、この人と決めた

(お願い)
 ・本人が家に尋ねてきて、お願いされたから
 ・本人の身内が家に尋ねてきて、お願いされたから
 ・事務所の秘書にお願いされたから
 ・知り合いの人にお願いされたから
 ・社内の人にお願いされたから
 ・組合にお願いされたから
 ・所属団体にお願いされたから

(同調)
 ・夫/妻が応援しているから
 ・父/母が応援しているから
 ・親戚・親類が応援しているから
 ・友人が応援しているから
 ・知り合いの人が応援しているから

(習慣)
 ・長年その人に入れているので
 ・長年その党の人に入れているので
 ・長年その地域出身の人に入れているので
 ・長年その一族に入れているので

(後ろ向きの理由)
 ・他の候補よりはましだから
 ・他の候補で投票したい人がいなかったから
 ・誰がなっても同じだから
 ・誰に入れてもどうでもいいから

(その他)
 ・えんぴつをころがした
 ・さいころふった
 ・目に付いた名前を書いた
 ・書きやすい名前にした
 ・字を書くのが少ない人にした


□分類について見ていくと

 今挙げた分類以外にも、たくさんの分類が存在しますし、実例としても挙げ切れていないのではないかと思います。

 ただ大分類だけで考えると、
 「本人に関するもの」
 「同じ所属に関するもの」
 「広報物に関するもの」
 「お願いに関するもの」
 「同調に関するもの」
 「習慣に関するもの」
 「後ろ向きの理由」
 「その他」
 と分類できるのではないでしょうか。

 さて、上記の理由で最終的に記名するとすると、やはり上記のことがおきるための選挙以前の布石が発生することと思います。

 例えば「身内の人が家に尋ねてきて、お願いをされたから」だとすると、家を訪問されたからそのようになったのだと思います。

 そう考えると、投票される側としては「身内に有権者の家を訪問させる」という行動が必要となってきます。これは戸別訪問の可能性がありますので、現実的には無差別に訪問するというよりは、なんらかのつながりのある人を訪ねるということになるのでしょうけれども。


□次回につづく

 ここからもう少し掘り下げて分析をしたいと思います。
 次回はもう少し上記の内容を細かく分析し、有権者は何を考えて投票しているのかを考え、そして投票される側は何をしなければならないのかを検討してきたいと思っております。


鷲津


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