184号 第1会議室 (2002/09/30)up down
   ● 統一地方選挙,どの候補に投票する?vol.2
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 第180号では「統一地方選挙,どの候補に投票する?」と題して、最終的に投票用紙に記名するときの判断をもとに、どの候補に投票するのかを考えてみました。有権者がどの候補に投票するのか、その最終判断はどのようなものなのかを考えることで、逆に投票して頂くにはどのようにしたらよいかを考えていこうという企画です。

 今回はその2回目で、有権者は何を考えて投票しているのかを考え,そして投票される側は何をしなければならないのかを検討してきたいと思います。


□前回(第180号)のおさらい

 前回(第180号)、以下のような分類と詳細項目を考えました。

(本人の演説)
 ・本人の演説を聞いて投票したくなった
 ・街頭演説が熱心だったから
 ・毎週朝に駅立ち演説をしていたから
 ・選挙期間中の演説を見て
 ・街頭宣伝車でのお話を聞いて
 ・個人演説会でお話を聞いて

(本人の特性)
 ・一生懸命がんばっているから
 ・まじめに政策を立案しているから
 ・議会でいいことをいっているから
 ・いつもいいことをいっているから

(本人との関わり)
 ・本人に会ったことがあるから
 ・本人としゃべったことがあるから
 ・本人とゆっくり話をしたことがあるから
 ・本人と一緒になんらかの活動をしたことがあるから

(本人の名前)
 ・名前が書きやすいから
 ・名前が好きだから
 ・自分と名前が同じだから
 ・名前がかっこいいから

(本人の容姿)
 ・顔がかっこいいから
 ・若いから
 ・好みのタイプだから
 ・仕事ができそうな顔だから

(本人の住まい)
 ・家が近所だから
 ・家が町内だから
 ・家が同じ校区だから
 ・家が市内/区内だから

(同じ出身)
 ・同じ小学校の出身者だから
 ・同じ中学校の出身者だから
 ・同じ高校の出身者だから
 ・同じ大学の出身者だから
 ・同じふるさとの出身者だから

(同じ所属)
 ・同じ会社に勤めていた/いるから
 ・同じ組合に入っていた/いるから
 ・同じ町内会にいる/いたから
 ・同じ宗教に入っていた/いるから
 ・同じ団体に入っていた/いるから
 ・同じ党に入っているから

(団体の応援)
 ・その政党を応援しているので
 ・政党を応援している団体を応援しているので
 ・所属している業界団体が応援しているので
 ・所属している団体が応援しているので

(選挙用の広報)
 ・選挙用ハガキを見て
 ・選挙用ビラを見て
 ・選挙用リーフレットを見て
 ・選挙用チラシを見て
 ・選挙公報を見て,この人と決めた

(お願い)
 ・本人が家に尋ねてきて,お願いされたから
 ・本人の身内が家に尋ねてきて,お願いされたから
 ・事務所の秘書にお願いされたから
 ・知り合いの人にお願いされたから
 ・社内の人にお願いされたから
 ・組合にお願いされたから
 ・所属団体にお願いされたから

(同調)
 ・夫/妻が応援しているから
 ・父/母が応援しているから
 ・親戚・親類が応援しているから
 ・友人が応援しているから
 ・知り合いの人が応援しているから

(習慣)
 ・長年その人に入れているので
 ・長年その党の人に入れているので
 ・長年その地域出身の人に入れているので
 ・長年その一族に入れているので

(後ろ向きの理由)
 ・他の候補よりはましだから
 ・他の候補で投票したい人がいなかったから
 ・誰がなっても同じだから
 ・誰に入れてもどうでもいいから

(その他)
 ・えんぴつをころがした
 ・さいころふった
 ・目に付いた名前を書いた
 ・書きやすい名前にした
 ・字を書くのが少ない人にした


 これ以外にも分類と詳細項目は数多くあると思いますし、具体的に考えていくと上記詳細項目に「○○さん」などという固有名詞が存在し、実際は投票行動に移っていると思います。


□有権者と投票行動

 投票するためには、まず投票に行かなければなりません。
 しかし、現在の日本では以下のような事実があります。

 (財)明るい選挙推進委員会ホームページより
 http://www.akaruisenkyo.or.jp/
 統一地方選挙投票率の推移
 http://www.akaruisenkyo.or.jp/tohyo/t_07.html

この資料を見ますと、平成11年4月の統一地方選挙においては、

 ・市区町村議選  60.35 %
 ・市区町村長選  61.12 %
 ・知事選     56.78 %
 ・県議選     56.70 %

と、各選挙で約4割の方が投票していないということが分かります。

 ということは、上記にあげた分類と詳細項目に当てはまる理由を持っていながら投票に行かなかったり、当てはまる理由がなく投票に行かなかったりなど、とにかくなんらかの理由で投票に行かなかった方が、約4割もいるという事実があります。

 このように考えると、いかに記名をしてもらい投票をしてもらうかを考えるのと同時に、いかに投票に行かない人に投票に行っていただくかを考えることも重要なポイントになりそうです。


□投票に行かない人

 私も過去何度か投票に行かなかったことがあります。知事選挙でですが。どうせ相乗り候補が当選するから、別に私が行かなくてもという理由と、投票日は朝から遠くに出かける予定があり晩まで戻らないので投票に行きませんでした。結局相乗り候補が当選しましたので、投票しても投票しなくても一緒だと、自分自身に納得させていました。

 これはあるひとつの事例かもしれませんが、投票に行かない人の投票に行かない判断にも、たくさんの分類と詳細項目があると思います。前回の統一地方選挙には約4割の投票に行かない方々がいらっしゃいました。その方々がすべて投票に行くと、今までの結果とは違っているかもしれません。4割の方がなんらかの投票をおこなうと、例えば意志を持って特定の候補に意図的に投票したら、間違いなくその候補はトップで当選できることでしょう。つまり約4割の眠れる政治体制決定者が存在するということになります。

 しかし、この眠れる方々をおこすのは大変至難の業で、どこかの首相の発言ではないですが、眠れる方々にはもっとお眠りいただいて・・・などといわなければ、起きないのではないでしょうか。
 これは笑い話ですが。


□投票判断にかなう候補とは?

 さて投票される側に求められることとなると、やはり上記分類や詳細項目から判断すると、ひとづてのつながりや「同じ○○」というつながりなど、直接なんらかの人的なつながりがある場合が多いようです。そうなると人的なつながりを増やしていけばかならず受かるということになります。
 しかし現実はそうではありません。必ずしも人的なつながりが多いから当選する、受かる、という訳ではありません。

 確かに今までの選挙では、名簿が得票目標の5倍あればOKとか、人に会った数がこのくらいだから当選するとか、様々なセオリーがありました。しかし、それだけで受かる場合もあれば、若干そうではない事例も出てくるようになってきています。今までのセオリーだと受からない候補が受かる事例が、若干ではありますが、出てきています。となると、今まで通りの投票判断の重点が変わってきているのかもしれません。このような時代になっているからこそ、人的なつながりで判断するのではなく、実際にこのような時代を切り開いていける人物かどうかというのも、判断のひとつになってきているのではないでしょうか。そうは言っても、人的なつながりがある方が候補者像というのをつかみやすくて判断しやすく、他の知らない候補と比べるといまいち・・・というのが実体なのでしょうか。やはり人的なつながりは大事なのではないかと思います。


□明日を作り出す政治家

 混迷の時代、デフレスパイラル、大量失業時代と様々な言われ方で、現在の時代は語られています。いつの時代でもそうなのですが、大飢饉や大地震などの天災や経済の低迷時期には、政治が大きく機能して国民をなんとかしなければと動いていたのが、歴史では数多く確認できます。1945年の戦後の新体制からそろそろ60年が経とうとしています。現在の政治システムが機能しているのかしていないのかはあえてふれませんが、根本的なシステムの議論がほとんど出てこず、システム上の問題点の指摘ばかり出てくるのは、いったいどうしてなのでしょうか。基礎や土台がくさっていたら、いくらその上にいいものを置いても、いくらいいものを構築しても、基礎や土台とともに壊れていくのが自然の摂理です。5%を10%に、とか、補助金を増やすとか増やさないとかの議論だけではなく、どのような体制にすれば国民の苦悩を救うことができるとか、もっと根本的な議論に持っていってもよいのではないかと思ってしまいます。論じているひとたちも中にはいるようですが。
 「明日を作り出してくれる政治家」
 私の投票判断はここにしています。希望がもてて、このひとに政治を任せれば自分たちは生きていけると感じられる政治家に投票をしたいと思います。

 あなたの投票判断は、最終的に自分の生活を苦しめていることになってはいませんか。


鷲津


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