192号 第1会議室 (2002/11/26)up down
   ● 鷲津のひとりごと 〜絶対当選するために〜
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□禁じ手を使ってでも,絶対当選する

 選挙に当選するためには,当選できる票数を得なければなりません。当然のことですが。
 当選できる票数を得るためには,それだけの数,投票用紙に名前を記入していただく必要があります。簡単に言うと,当選するためには,当選できる票数だけ有権者に名前を書いてもらう必要があるのです。
 実際には,これが大変なことなのですが。
 立候補者としては,当選できる票数を獲得するために,あれやこれやと選挙活動をおこなっていきます。

 立候補者にとっては,当選できる票数だけ名前を書いてもらうことができたら,どんなにうれしいことでしょう。目標としている「当選」が確保できるのと同じですから。選挙区内のひとが当選できる票数だけあらかじめ「あなたの名前を書くよ」とわかっていたら,どんなに心が安まるかわかりません。このようなことは現実にはほとんど考えられないでしょうけれども。
 実際には投票箱のふたが開いて,当選するまでは立候補者の心は安まらないことと思います。

 さて,当選できる票数だけ名前を書いてもらう投票依頼活動も,様々あることは今までの「バーチャル選挙対策本部」でも数多くとりあげてきました。しかし,それはほとんどの方々がまずはおこなう基本活動である場合が多かったのではなかったかと思います。
 現実には,世の中には様々なお願いの方法があります。

 今回はその基本活動にはあたらない事例「禁じ手」を見て,ほんの一部例外の方が,どのようなお願いをしているのかを参考にしていただければと思います。


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□ケースA: 学生アルバイト

 選挙事務所で事務所中核スタッフのアルバイトをしている大学生のAさんは,投票に行かないと言っている友人たちに声をかけ,選挙に行ってくれたらアルバイト料を払うとお願いしました。
 アルバイトの内容は,次の通りです。

アルバイト日: 投票日当日
  集合場所: 自宅に迎えに行きます
   目的地: 車に乗って,各自の投票所に行く
    時間: 自宅→投票所→事務所→自宅の所要時間
アルバイト料: 5,000円(交通費込・事務所で渡します)

 投票日当日,Aさんは事務所の車を借りて,次々に友人宅を訪れ,友人宅から投票所,それから事務所へ。事務所でバイト料を渡し,友人宅までの送迎を,次々に行いました。友人達も投票に行くだけでお金がもらえるということで,非常に協力的でした。
 ただし,Aさんは勤務する事務所の候補者の名前を書けと指定すると選挙違反になるのではないかと思い,「投票に行ってくれたらいいから」とだけ友人達に伝え,暗にほのめかすだけにとどめておきました。しかし,後で聞いたところ,友人達は全員その候補者の名前を書いたと言っていました。
 Aさんひとりで,本来なら投票にならなかった票を獲得できたため,事務所でもAさんの株はあがったそうです。

(講評)
移動費としてバイト料がでているようですが,これは実質買収といわれてもおかしくないような事例ではないのでしょうか。
これがまかり通るなら,じゃんじゃんこの活動をやった候補がどんどん得票しますので,これは選挙違反でしょうね。



□ケースB: 投票のお知らせハガキを購入

 大学生のBさんは,大学のキャンパス内や教室で,「投票のお知らせハガキを1枚3,000円で購入します」と友人・知人・通りすがりの人に声をかけ,それに応じた学生から生年月日を聞き,ハガキをもらい,3,000円を渡しました。もちろんそのときには,口止めもしています。
 これで得た83枚の投票のお知らせハガキを,Bさんは候補者事務所に持っていき,1枚10,000円で事務所のスタッフに売り渡しました。Bさんは1枚につき,7,000円,しめての581,000円の儲けとなりました。
 投票のお知らせハガキを買ったスタッフは,投票日当日に働いてくれる学生アルバイトを数人集め,83枚のハガキを使い,投票に行ってもらいました。普段から投票に行かないような学生から得たハガキだけあって,投票所での確認もスムーズに行きました。同じ投票所には2度投票に行かないようして,うまくごまかしました。

(講評)
この話はすべてフィクションです。が,事実を元にしています。実際には投票のお知らせハガキを売り買いして,逮捕者が出ていました。これは立派な選挙違反です。小さな単位(1〜3枚)でのやりとりは,よく聞いたことがあります。犯罪ですので,このようなことはしては絶対ダメですよ。


□ケースC: 経営コンサルタント

 候補者は経営コンサルタントをおこなっています。選挙区内の顧客は30社。顧問契約をおこない,定期的に訪問をしています。立候補にあたり,30社の会社訪問の際に立候補宣言をおこない,30社勤務の社員全員から投票の約束を取り付けました。また30社からは応援のための選挙資金をコンサルティングという形で支払ってもらい,コンサルティング会社の収入としました。それを給料に上乗せして,選挙資金に充てて,選挙戦を乗り切るつもりです。
 さて,候補者は経営コンサルタントですので,選挙区内でも営業活動をおこなっていかなければ,新規コンサルティング収入が途絶えてしまいます。
 ということにして,候補者は各社をまわり,コンサルティング営業活動をおこなうかたわら,投票のお願いをしています。おかげで新規コンサルティングの受注もでき,また各社に投票のお願いもできましたので,一石二鳥です。

(講評)
このケースは選挙違反になるのでしょうか?業務の延長のような気がするのですが・・・。まあ投票のお願いをして回っていますから,投票依頼の内容次第ではアウトになるのでしょう。現実的には「会社活動での協力会社への依頼」なども同じようなケースとなってくる可能性はあるのでしょう。
 にしても,選挙活動と営利活動が一緒になって,いいですね。でも戸別訪問している感じがしますけれど・・・。あまり好ましくないのかもしれません。


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 ケースを3つあげさせていただきました。
 これは実際の事例としてあるものを分かりやすいように,フィクションにしてお届けしました。

 もちろん,その他数多くの「絶対当選するために」の活動がありますが,くれぐれも選挙違反の活動は厳禁ですよ。


鷲津


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